研究課題
前年度では初期化4因子により作製したiPS細胞クローンについて神経分化能の比較検討を行ったが、今年度は更に3因子により作製したiPS細胞クローン(正常iPS細胞2クローンおよびダウン症由来iPS細胞DS-iPSクローン3クローン)を解析に加えた。3因子により作製したクローンについても全てのクローンで未分化性(未分化マーカーの発現、胚葉体形成能、テラトーマ形成能)が確認できた。前年度と同様にSDIA法により神経分化誘導を行い、神経分化マーカーの発現誘導レベルを検証した。解析した全てのクローンがNESTIN陽性を示し、βIII-tubulin陽性の神経突起を伸張させていた。全てのマーカーの解析はまだ終了していないが、4因子DS-iPS細胞において発現誘導が弱かったマーカーは、3因子DS-iPS細胞においても発現が低い傾向にあった。しかし、クローナルバリエーションがやはり観察された。神経分化マーカー等で細胞を選別し、その細胞群に絞った発現解析を行う必要があると推察された。
3: やや遅れている
正常iPS細胞に比べてDS-iPS細胞で発現誘導が起こりにくいマーカー遺伝子を見つけることが出来ているが、iPS細胞間でのクローナルバリエーションが大きいため、現状のサンプリング方法では有意差ある結果としては得られていない。このため、サンプリング方法を変更する必要が生じたため。
これまでDS-iPS細胞で見いだした現象が、人工トリソミーiPS細胞で再現されるか検証を行う。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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