研究概要 |
本研究課題に関する、平成23年度の主な研究成果は以下の如くである。 1.非浸潤性乳管癌(DCIS>におけるエストロゲン応答遺伝子の発現意義の解析 昨年度行ったマイクロアレイ解析の結果をもとに、c-MYB,RbAp46,survivinという3つのエストロゲン応答遺伝子の発現を、DCIS53例及び浸潤性乳管癌(IDC)27例を用いて、免疫組織化学的に検討した。その結果、いずれもDCISにおいて有意に高発現しており、c-MYBはDCIS症例においてKi67と逆相関を示した。survivinは高齢者のDCISで高発現していた。昨年度の結果とあわせると、DCISにおけるエストロゲン作用はIDCとは異なっており、DCISにおいては、c-MYBの細胞増殖抑制作用、RbAp46によるエストロゲン作用の修飾、survivinの抗アポトーシス作用などが重要と考えられた。これらの研究成果を現在欧米誌に投稿中である。 2.ERエストロゲン受容(ER)陽性閉経後DCIS患者におけるアロマターゼ阻害剤の有効性の解析 昨年度開始したUIN CTR臨床試験登録(UMIN 000003101)を平成23年12月31日で終了した。 合計12例の登録が得られたので、来年度に解析を行う予定である。
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