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2011 年度 実績報告書

分子病理学的新分類「STAT3構成的活性化胃癌」の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22590308
研究機関東京大学

研究代表者

日野 るみ  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60451770)

キーワードSOCS3 / STAT3 / 胃癌
研究概要

報告者は、EBウイルス関連胃癌の研究を通して、STAT3(signal transducer and activatorofのtranscriptin 3)構成的活性化がEBウイルス関連胃発癌,進展に重要である可能性を見いだした(Hino et al.,Cancer Research 2009)。EBウイルス(EBV)関連胃癌は、癌抑制遺伝子あるいは癌関連遺伝子のプロモーター領域に特異的なDNAメチル化異常が高頻度に見られ、胃癌の中でも特徴的な一群をなしているが、報告者らは、EBVの膜蛋白であるLMP2A(Latent membrane protein sA)がSTAT3の活性化を介しDNMT1の発現を上昇させ、DNAメチル化異常に関与する事を報告した(Hino et al.,Cancer Research 2008)。今回報報告者は、STAT3の活性化を抽制的に制御する分子であるSOCS3(Suppressor of cytokine signaling 3)が、EBVの感染によりプロモーター領域のメチル化を介して発現が低下ないし消失している事をヒト胃癌切除検体で見出した。細胞株を用いた実験結果においても,EBV感染によりSOCS3のプロモーター領域のメチル化が見られ発現が低下していた。SOCS3はSTAT3を抑制的に制御することから、SOCS3の発現低下はSTAT3をさらに活性化しSOCS3がSTAT3/DNMT1を介するDNA異常メチル化経路に関与し、メチル化異常を亢進させ、発癌ないし癌の進展に寄与している可能性を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

おおむね計画した研究は予定に近い状態で進んでいるが、STAT3構成的活性化胃癌群のメチル化酵素の発現状態の検索が遅れている。

今後の研究の推進方策

「STAT3構成的活性化胃癌」群の炎症から発癌への分子機構解明として、Gene chip:Affymetrix HuGeneFL probearray set(Affymetrix,CA,USA)を用いた網羅的遺伝子解析、発現クラスター解析を行う。網羅的遺伝子解析や発現クラスター解析により得られた癌化に関与する遺伝子のうち、実際にSTAT3が結合する遺伝子の同定を行う。その後、STAT3阻害剤による抗腫瘍効果または前癌病変抑制効果検討をマウスを用いた実験系で行う予定である。以上の実験から得られた知見をもとに研究のまとめを行い、成果発表を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] EBV関連胃癌のDNAメチル化機構におけるSOCS-3, STAT3/DNMT1経路の関与2011

    • 著者名/発表者名
      日野るみ
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-05

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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