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2010 年度 実績報告書

α-ジストログリカン糖鎖の発現からみた前立腺癌の臨床病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22590311
研究機関信州大学

研究代表者

下条 久志  信州大学, 医学部, 助教 (40324248)

研究分担者 小林 基弘  信州大学, 医学系研究科, 講師 (00362137)
福島 万奈  信州大学, 医学部, 助教 (70546225)
キーワード泌尿生殖器 / 糖鎖
研究概要

前立腺癌ではα-ジストログリカン(α-DG)発現の減少と悪性度との関連が報告されているが、その減少程度は個々の腫瘍により様々である。α-DGはコア蛋白が高度に糖鎖修飾されており、この糖鎖(α-DG糖鎖)がα-DGとしての機能発現に重要である。これまでに、ヒト前立腺癌におけるα-DG糖鎖発現の解析はほとんどなされていない。一方、実験的にはin vitroおよびin vivo(マウス)のレベルで、α-DGコア蛋白の発現が保持されていても糖鎖修飾の低下によりα-DGの機能が低下することが示されている。そこで、ヒト前立腺癌におけるα-DG糖鎖の発現とその意義について明らかにするため、ヒト前立腺癌組織を用い、病理組織学的、免疫組織化学的に解析を行った。
1) α-DG糖鎖発現の解析:様々なGleasonパターンの前立腺癌を対象として、免疫組織化学的にα-DGコア蛋白と糖鎖それぞれの発現を検討した。α-DGコア蛋白は非腫瘍性腺管の殆どと癌の多くに陽性像を認めた。一方、α-DG糖鎖は非腫瘍性腺管の殆どが陽性だが癌は部分的に陽性を示した。癌では全く陰性の部分もあり、124/146例(84.9%)で発現減少を認めた。α-DGコア蛋白、α-DG糖鎖の両者とも、癌では陽性部分が減少するが、コア蛋白の減少と比較すると糖鎖の減少の方がより明瞭であった。
2) α-DG糖鎖の発現と前立腺癌の組織学的グレード(Gleasonパターン)との関連の解析:統計学的に解析した。α-DG糖鎖の減少はGleasonパターンと逆相関がみられた。すなわち、より浸潤性の増殖パターンを示す腫瘍ほど、α-DG糖鎖の減少程度が大きいことがわかった。
以上から、前立腺癌ではα-DG糖鎖の減少は、高いGleasonパターンで表現されるような、より浸潤性の増殖様式に寄与する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Reduced Glycosylation of a-Dystroglycans on Carcinoma Cells Contributes to Formation of Highly Infiltrative Histological Patterns in Prostate Cancer2010

    • 著者名/発表者名
      下条久志
    • 学会等名
      2010年糖鎖生物学会(2010 Annual Conference of the Society for Glycobiology)
    • 発表場所
      タンパ(フロリダ)
    • 年月日
      2010-11-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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