研究課題/領域番号 |
22590315
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中川 和憲 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50217668)
|
研究分担者 |
鬼丸 満穂 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00380626)
岡野 慎士 九州大学, 大学病院, その他 (10380429)
古賀 孝臣 九州大学, 大学病院, 講師 (70380615)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 血管リモデリング / 内皮細胞 / VEGF / 脈管新生 / シグナル伝達 / 動脈硬化 / 脂質沈着 / 血管平滑筋細胞 |
研究概要 |
本研究では、血管の恒常性破綻と病的血管リモデリングの分子基盤の解明を目的に、血管内皮細胞および腫瘍細胞の連関やそれぞれのシグナル伝達・調節機構解析および血管病変発症の組織形態解析から、主に以下の成果を得た。 (1)細胞機能の修飾シグナルとして、STAT3とEMT関連分子動態の解析を行ったところ、STAT3阻害剤Cucurbitacin Iは、VEGF-C刺激による腫瘍細胞の運動・転移能形質に重要とされるコンタクチン1の発現低下をもたらし、STAT3経路が、p38MAPKとともに、刺激下での内皮細胞や腫瘍の運動性制御に重要な機能を果たしうることを示唆した。また、内皮細胞の機能調節機構に関連し、昨年度までにその構成的シグナルがVEGFの感受性を抑制的に調節することを明らかにしたTie1が、炎症性サイトカインで内皮細胞が刺激を受けた際は、遺伝子発現低下でなくシェディングにより細胞表面の機能的タンパクを減少させることでインプットされるシグナルを低下させ、感受抑制を解除することを明らかにした。 (2)アテローム動脈硬化血管の発生初期リモデリング病態理解のため、若年者(50歳以下)剖検症例凍結標本による右冠状動脈の病理形態的解析を行った。正常血管から病変進行に伴い平均年齢、脂質沈着面積、内膜狭窄率の有意な上昇を認めた。細胞の動態を調べたところ、ヒト冠状動脈のアテローム性動脈硬化の前粥腫病変は、マウスのような平滑筋細胞の遊走増殖ではなく、1)動脈硬化発症素地としての平滑筋細胞のび慢性内膜肥厚への脂肪沈着、2)その後の同部では、平滑筋細胞数は維持されるものの、密度の低下がおこることで形成されていることを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|