• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ホルモン不応性前立腺癌の分子標的治療に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22590320
研究機関日本大学

研究代表者

唐 小燕  日本大学, 医学部, 助教 (20326036)

キーワード前立腺癌 / ホルモン治療 / ソマトスタチン
研究概要

本研究は、前立腺癌治療標的分子の探索、とくにホルモン非感受性前立腺癌細胞に対する新しい治療戦略の可能性を探索することを目的とした。具体的に、本年度は、前立腺癌細胞が男性ホルモン非存在環境下において、特定の誘導因子によって、SSTRs mRNAが誘導されることを証明する。方法:1)男性ホルモン非感受性前立腺癌培養細胞PC3およびDU145、男性ホルモン感受性前立腺癌培養細胞LNcapをDMEM培地にて培養後、DNAメチル化阻害剤(5'-aza)、脱アセチル化抑制剤(TSA)による前立腺癌細胞SSTRの発現を誘導行い、real-time RT-PCRにてSSTRs mRNAの定量を行った;2)男性ホルモン感受性前立腺癌培養細胞LNcapを男性ホルモン除外培地にて培養し(20回継代、Charcoal濾過serum)、以上の1)の細胞と同様な誘導実験を行い、real-time RT-PCRにてSSTRs mRNAの定量を行った。3)さらに、Cell Titer96 Assayによる細胞の増殖能を測定した。結果:1)PC3は、SSTR1-4mRNAの増加(p=0.007)、DU145は、SSTR1-5mRNAの増加(p=0.007),LNcapは、SSTR3-5mRNAの増加(p=0.050)が認められた;2)男性ホルモン除外培地にて培養したLNcap細胞SSTRI-5mRNAはいずれも増加し(p;0.050)、さらに、その増加はSSTR1,2,4mRNAにおいて、通常血清培地で培養したLNcap細胞よりも著しく増加した(p=0.050)、3)Cell Titer96 Assayによる細胞の増殖能は通常培地で培養したLNcap細胞より低下していた。考察:前立腺癌の培養細胞は、DNAメチル化阻害剤(5'-aza)および脱アセチル化抑制剤(TSA)の刺激によって、SSTRs mRNAは増加傾向にある。その増加傾向は、長期間男性ホルモン除外培地にて培養したLNcap細胞により強く認められた。ホルモン治療後、残存する男性ホルモン不応性前立腺癌に対して、5'-azaおよびTSAによりSSTRsの発現を誘導し、この人為的に発現させたSSTRsを標的としたソマトスタチンアナログ製剤による分子標的治療法の可能性が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者本人は、今年度中2回も転職したため、研究の環境が変わり、研究に使える時間が少なかった。

今後の研究の推進方策

来年度は、さらに、男性ホルモン除外培地(Charcoal濾過 serum)にて培養したLNcap細胞の継代培養を延長し、その前立腺癌細胞SSTRsの変化、増殖能の変化、できれば、形態的変化を確認する予定。
初回計画書に、動物実験を予定していたが、現在の研究施設は、動物実験が困難な環境にあり、部門外の共同研究をこれから開発する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] メチル化阻害・抑制剤およびソマトスタチンアナログ製剤によるホルモン不応性前立腺癌細胞に於けるSSTR1-5の発現誘導2012

    • 著者名/発表者名
      唐小燕
    • 学会等名
      第101回日本病理学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-04-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi