研究課題/領域番号 |
22590321
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
赤坂 喜清 東邦大学, 医学部, 准教授 (60202511)
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研究分担者 |
小野 一郎 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20125298)
石川 由起雄 東邦大学, 医学部, 准教授 (30276894)
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キーワード | 創傷治癒 / 間葉系前駆細胞 / Fibrocyte / ケロイド / 肥厚性瘢痕 / 蛍光多重染色 |
研究概要 |
[目的]:血球由来間葉系前駆細胞(Fibrocyte)(以下Fb)の一部は線維芽細胞へ分化することが明らかとなったが、その細胞特異性や組織修復・瘢痕化における役割は解明されていない。今回ヒト皮膚創傷治癒過程におけるLeukocyte specific protein-1(LSP1)/CD34陽性Fbの発現特異性を検討し、同細胞の創傷治癒過程における機能を考察した。 [方法]:皮膚手術材料非病変部組織を蒐集し、それらの創傷治癒期を炎症期、炎症・増殖期、増殖期、リモデリング期、瘢痕形成期に分類し、各期におけるCD34/LSP-1陽性Fbの発現性を解析した。さらにα-SMA血管平滑筋染色との比較検討から血管内(Circulating)Fbと血管外(Resident)Fbに分類し、それぞれの発現性からFbの血管局在と組織修復との関連性を検討した。 [結果・考察]:CD34/LSP-1陽性Resident Fbは炎症増殖期での有意な増加と瘢痕形成期での有意な減少を示し、増殖期から瘢痕期に減少し瘢痕化に寄与するFibroblastへの分化が示唆された。 CD34/LSP-1陽性Circulating Fbは、Resident Fbに比べて数が少なく、各期間において発現数に有意な差はないことから、同陽性Circulating FbとResident Fbは異なる分化様式を有することが示唆された。さらに同陽性Circulating Fbは細小動静脈への特異的発現を示し、細小動静脈は同細胞誘導における重要な微小環境を提供していると考えられた。
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