研究課題/領域番号 |
22590324
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
新野 大介 久留米大学, 医学部, 講師 (20426563)
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研究分担者 |
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
杉田 保雄 久留米大学, 医学部, 教授 (80216316)
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キーワード | ウイルス / 病理学 / ATLL / HTLV-1 / 肝炎 |
研究概要 |
HTLV-1感染は成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)だけでなく痙性脊髄麻痺(HAM/TSP)、ぶどう膜炎などの病態をきたすことが知られている。肺病変や関節病変、筋炎などもHTLV-1関連疾患として提唱されているが肝炎についての報告はない。平成22年度、我々は久留米大学と長崎の関連施設でHTLV-1抗体陽性で、HCV陰性HBV陰性の原因不明の肝機能異常症例を調査したところ、数症例を見つけた。今後臨床的病理学的に解析する予定である。また九州大学医学部総合診療部のグループは長崎県壱岐島の住民2280名においてC型肝炎ウイルス(HCV)とHTLV-1の感染についての調査を行っており、HTLV-1抗体陽性の慢性C型肝炎症例では、HTLV-1抗体陰性症例と比較して病期の進行が早く、治療ではインターフェロンが効きにくいと報告している(Kishihara et al. J.Inf.Disease2001; 184:1114-9)。我々はその研究で用いられた一部の患者の肝生検組織を提供して頂き、HTLV-1抗体陽性の慢性C型肝炎症例と、HTLV-1抗体陰性症例とを病理組織学的に比較検討を行った。その中でTregの特異的マーカーであるFoxp3の発現をHTLV-1抗体陽性の慢性C型肝炎症例と、HTLV-1抗体陰性症例とで検討したところ、HTLV-1抗体陽性の慢性C型肝炎症例で有意にFoxp3の発現が増加していた。現在、長崎大学消化器内科から11例のHTLV-1抗体陽性慢性C型肝炎症例の肝生検組織を提供して頂いており、同様にFoxp3の発現と組織像、臨床データを検討する予定である。
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