研究課題/領域番号 |
22590327
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
仲村 賢一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60159069)
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研究分担者 |
泉山 七生貴 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10158751)
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キーワード | テロメア / アナフェースブリッジ / 膀胱癌 / FISH |
研究概要 |
膀胱癌の異型度が増す過程が、テロメア短縮によるテロメア機能不全が一因であることを証明することを目的としてこの実験を計画しました。H22年度はG1、2、3の初代培養細胞の各染色体別テロメア長をQ-FISH法(分裂中期染色体の184個のテロメアを測定)を用いて解析し、染色体ごとのテロメア長の変化を解析しました。各異型度を示す癌から細胞を用い(同じ癌からでもカリオタイプにモザイクあり)、細胞群中で2n=46のカリオタイプを示す細胞のテロメア長が異型度(G1>G2>G3)の順に短縮することを証明し、テロメア短縮による染色体異常の発生との関連を明らかにしました。染色体の本数についても異型度が進行するに従い有意に増加することを明らかにするとともに、G1群においては全てが2n=46でありました。また異型度別に染色体不安定性の指標であるアナフェースブリッジの出現頻度を比較解析した結果,テロメア短縮に有意に相関してアナフェースブリッジの出現頻度が増加することを明らかにし、H23年度の病理学会(4/28-30、横浜)において発表した(3-H-7:Q-FISH法による膀胱癌の悪性度とテロメア長)。また、特定の染色体(9番、11番、18番、X)についてアナフェースブリッジへの関与についてホールクロモゾームペインティングで検討したが特記すべき結果が得られなかった。現在論文を作成中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
染色体FISHについては染色体本数と異型度との関連を明らかにできて研究計画より進行しているが組織FISHが大幅に遅れているがこれまでに明らかになったことでその必要性が薄れていると考えては居るが、当初の研究計画全体としてはやや遅れていると自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに染色体の本数とテロメア長の関係ならびに染色体不安定性の指標であるアナフェースブリッジンの関係を明らかにできた。これまでの結果を踏まえて組織FISHによる異型度との関連は特に明らかにするまでもないのではと考え現在、染色体不安定性の証明のためのホールクロモゾームペインティングを更に進める検討をしているが、試薬が高価であるので効率よく進めるための染色体の絞り込みを検討する予定である。
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