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2011 年度 実績報告書

自然免疫刺激に伴うTxnipの発現抑制とRedox制御の生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22590345
研究機関東北大学

研究代表者

金成 安慶  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (60351590)

キーワード自然免疫 / 炎症性サイトカイン / 代謝 / Toll様受容体 / 炎症 / Redox / 解糖系 / Redox
研究概要

LPS刺激により発現が急激に減少するTxnip遺伝子の発現抑制メカニズムを明らかにするために、Txnipプロモーター領域を上流に挿入したTxnipρレポーター遺伝子を作成し、Txnip遺伝子の発現抑制に必要な転写因子結合部位の同定を試みた己その結果、転写開始点より176塩基上流までに存在する2つのChoRE、CCAAT配列、1つのFoxo結合部位にからなるグルコース応答領域が必須であることがわかった。この領域にはグルコース応答転写因子であるMlx-MondoAが無刺激の状態で結合しているが、ChIP解析によりMlx-MondoAがLPS刺激に応答して、Txnip遺伝子のプロモーター部位から乖離していることがわかった。そして、MondoAのTxnip遺伝子プロモーター部位への結合の調節には、LPS刺激で活性化される既知のシグナル経路は関与していないこと、解糖系の阻害によりTxnip遺伝子の発現抑制が回復することなどから、LPS刺激によるTxnip遺伝子の発現抑制は、解糖系の活性化が引き起こす細胞内のグルコース代謝産物の濃度の低下を反映した現象であることがわかった。この結果は、近年指摘されている炎症と代謝の関連性を支持するものであり、Txnip遺伝子が、生活習慣病や炎症性疾患の予防、治療の有力な分子標的候補であることを示している。
また、Txnip遺伝子の発現制御機構の解明による培養条件の改善により、Txnip遺伝子過剰発現細胞の作成と維持が可能となり、LPS刺激依存的な勧ウ遺伝子発現抑制のもつ生理学的が意義を、サイトカインやケモカインの産生を指標に個体レベルと細胞レベルで詳細な解析を進めている。その結果、自然免疫刺激時の代謝の変化は、その後のサイトカインやケモカインの産生に大きな影響を与えていることを示唆する予備的な実験結果を得ており、更なる解析を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度までに予定しているLPS刺激に伴うTxnip遺伝子の発現抑制の分子メカニズムを解明し、現在、欧文専門誌に投稿中であるとともに、来年度予定しているTxnip遺伝子の過剰発現の細胞レベルでの解析は準備ができている。個体レベルでもトランスジェニックマウスの作成が完了し、現在、導入遺伝子の発現の確認と系統の選別を行っており、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

研究計画は順調に進展しており、現状通り研究を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] An evolutionary analysis of RAC2 identifies haplotypes associated with human autoimmune diseases2011

    • 著者名/発表者名
      Sironi. M, et al
    • 雑誌名

      Molecular Biology and evolution

      巻: 28 ページ: 3319-3329

    • DOI

      doi:10.1093/molbev/msr164

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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