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2011 年度 実績報告書

脂肪肝改善に関与する核内受容体の研究:新規病態モデルの確立と治療応用への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22590354
研究機関群馬大学

研究代表者

井上 裕介  群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90304302)

研究分担者 行木 信一  群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80302959)
桑原 正靖  群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40334130)
キーワード肝臓 / 核内受容体 / 脂肪肝 / HNF4α / PPARα
研究概要

HNF4αは肝臓で高発現する核内受容体であり、肝臓特異的HNF4α欠損マウス(HNF4α-KOマウス)は脂肪肝を示し、生後約10週間程度で死亡する。HNF4α-KOマウスとPPARαを欠損したダブルKOマウスは脂肪肝の改善と寿命の延長を示した。このため、HNF4α-KOマウス肝臓においてPPARαの活性化が脂肪肝と寿命延長に関与していると推測して、PPARαの活性化機構を解析した。リアルタイムPCRによりPPARα経路の遺伝子群の発現を比較定量したところ、HNF4α-KOマウス肝臓におけるPPARαのmRNA発現量が約40%に低下していることが分かった。また、PPARαとヘテロダイマーを形成するRXRαの発現に変動はなかったが、PPARαの標的遺伝子であるBIENは約4倍,MCADは約3倍,CYP4A14は約15倍,HMGCS2は約2倍といずれの遺伝子の発現もHNF4α-KOマウス肝臓で上昇していることが確認できた。またウエスタンブロットによりHNF4α-KOマウスにおけるPPARαタンパク質はmRNAレベルと同様に発現低下していることが分かった。次にPPARαのPPARα結合配列(PPRE)への結合能をゲルシフト法により解析したところ、HNF4α-KOマウス肝臓のPPARαはBIEN,CYP4A14,HMGCS2の3つの遺伝子のPPREすべてに対してDNA結合能が低下していることが明らかになった。以上の結果は、HNF4α-KOマウスにおいてPPARαは発現量とDNA結合能ともに低下しているにも関わらず、転写活性化能が上昇していることを示唆している。また、ヒトPPARαの機能を特異的に抑制するアプタマーを取得するために、ヒトPPARα発現ベクターを作製して大腸菌での発現系を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒトPPARαタンパク質が不安定であったため、アプタマー取得までに至らなかった。

今後の研究の推進方策

HNF4α-KOマウス肝臓におけるin vivoでのPPARαのDNA結合能をクロマチン免疫沈降により解析して、ゲルシフト法の結果と一致するのか検証する。また、HNF4α-KOマウス肝臓においてPPARαが転写活性化されているのか解析する。さらに、ヒトPPARαタンパク質の安定化を検討してアプタマーを取得する。その後、アプタマーやPPARαアンタゴニストによりHNF4α-KOマウスの表現型が改善されるか検証する。

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公開日: 2013-06-26  

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