研究課題
肝臓で高発現する核内受容体HNF4αは多くの遺伝子の発現を正に制御する肝臓のマスター様因子である。肝臓特異的HNF4α欠損マウス(H4-KOマウス)はPPARα標的遺伝子群の発現増加と脂肪肝を示した。このため、H4-KOマウスとPPARαを欠損したダブルKOマウスを作製したところ、脂肪肝の改善と寿命の延長を示した。以上の結果より、H4-KOマウスではPPARαによるPPARα標的遺伝子の転写活性化を介して脂肪肝を発症すると推測した。ゲルシフトアッセイにより、H4-KOマウス肝臓ではPPARαのPPAR結合配列(PPRE)への結合能の低下が確認されたため、in vivoでのPPARαの3種類のPPREへの結合能をクロマチン免疫沈降を用いて解析した。その結果、H4-KOマウスではPPARαの結合能はコントロールマウスと同程度、もしくは低下していることが明らかになった。また、H4-KOマウス肝臓においてPPARγ1とPGC1αの顕著な発現増加が認められ、これらの因子はPPARα標的遺伝子を転写活性化することがレポーターアッセイにより明らかになった。従って、H4-KOマウスにおけるPPARα標的遺伝子群はPPARγやPGC1α、加えてPPARα/γの内在性リガンドにより転写活性化され、脂肪肝が誘導されることが示唆された。また、ヒトPPARαタンパク質の発現系を構築し、現在は核酸アプタマーを取得中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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