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2011 年度 実績報告書

小胞体分子MG23によるDNA損傷応答と光免疫応答のクロストーク

研究課題

研究課題/領域番号 22590359
研究機関徳島大学

研究代表者

山崎 哲男  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90330208)

キーワード小胞体 / 紫外線 / DNA損傷
研究概要

DNA損傷応答は細胞死、老化、発がんをもたらす。一方、紫外線に対する免疫応答、すなわち光免疫応答は光線治療、および光線過敏症の背景を成す。このように両応答は病態と不可分の関係にあるが、その分子基盤に関する情報は限定的であり、人為的制御を困難なものにしている。本研究は小胞体分子MG23のDNA損傷応答への関与を示した研究代表者の実績ならびに同分子の紫外線応答特性に立脚して提案したものである。MG23の機能発現様式を切り口にして、DNA損傷応答と光免疫応答それぞれに固有の分子基盤を整理すると共に、両者のクロストークにまで踏みこむことを目指している。平成23年度には細胞株を中心的に用いて実施した解析を通して、以下の点を明らかにした。
1:MG23による細胞内シグナルの伝播機構にアプローチするために、同分子と物理的に結合するタンパク質を酵母2-ハイブリッド法でスクリーニングし、クリスタリンファミリーの一つを単離した。2:このクリスタリンタンパク質をノックダウンすると、紫外線感受性が亢進した。3:MG23とクリスタリンのダブルノックダウン細胞は各分子単独のノックダウン細胞と同程度の紫外線感受性を呈する。4:MG23はクリスタリンの発現を転写レベルで制御する。
以上から、MG23はクリスタリンと同一のシグナル伝達上に位置し、紫外線誘導性アポトーシスに対して細胞保護的に働くこと、ならびに、その背景には同分子による物理的・機能的結合分子クリスタリンの発現制御が存在することが示唆された。本成果は投稿中であり、紫外線への暴露に際して、小胞体タンパク質MG23が如何にして細胞の運命決定を左右するかについて、分子論的理解を推進するところとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

結合分子の単離を通して、モデル分子であるMG23の紫外線感受性制御能の分子基盤を既に明らかにしているから。

今後の研究の推進方策

これまでにモデル分子MG23の機能発現がクリスタリンとの相互作用を介している点を明らかにしているので、光免疫応答に関する解析にあたっては、MG23とクリスタリンの双方を発現している免疫細胞を主たる標的として、研究を展開する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Role for B-cell adaptor for PI3K (BCAP)as a signaling adapter linking Toll-like receptors (TLRs) to serine/threonine kinases PI3K/Akt2012

    • 著者名/発表者名
      Troutman TD, et al
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.

      巻: 109 ページ: 273-278

    • DOI

      10.1073/pnas.1118579109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A requirement for the p85 PI3K adapter protein BCAP in the protection of macrophages from apoptosis induced by endoplasmic reticulum stress2011

    • 著者名/発表者名
      Song SW, et al
    • 雑誌名

      J.Immunol.

      巻: 187 ページ: 619-625

    • DOI

      10.4049/jimmunol.0903425

    • 査読あり
  • [学会発表] 小胞体タンパク質EPIGの紫外線応答における役割2011

    • 著者名/発表者名
      山崎哲男
    • 学会等名
      第50回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会
    • 発表場所
      サンポートホール高松(香川県)
    • 年月日
      2011-11-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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