RP S19遺伝子異常が、DBA患者25%に発見された。RP S19単量体がタンパク質合成装置リボソーム形成時の必須タンパク質であることが判明し、タンパク質合成阻害によるアポトーシス誘導に赤血球前駆細胞の感受性が高いことを発見しました。また、RP S19遺伝子ノックアウトマウスが胎生致死でした。 我々は、アポトーシス細胞がCD88を発現し、そのアンタゴニスト/アゴニストであるRP S19多量体を放出することを発見しました。また、共通のCD88をRP S19多量体で接着されたアポトーシス細胞とマクロファージの貪食島形成と貪食島上のアポトーシス細胞へのCD88を介した細胞死促進を報告しました。近年、共通のCD88をRP S19多量体で接着された赤芽球とマクロファージの造血島形成を発見しました。そこで、RP S19多量体による赤芽球の品質管理作用を想定しています。 RP S19単量体機能は保持し、RP S19多量体機能が欠損したノックインホモマウスは、僅かではあるが有意差を持って骨随細胞数、脾臓細胞数、末梢血中の赤血球数が減少していました。さらに、好塩基性赤芽球の割合を調べるために骨随細胞と脾臓細胞をCD71・TER119で染色しFACSで解析すると、コントロールマウスに比べてノックインマウスの好塩基性赤芽球の割合も減少していました。また、溶血性貧血等をフェニルヒドラジンで誘導し赤血球数の回復動態を観察すると、コントロールマウスに比べてノックインマウスの赤血球数の回復動態も減少していました。現在、日本のDBA患者にRP S19多量体が関与するかを臨床の先生にお願いして骨髄液、末梢血、尿などの資料を使用できるかを検討しています。その後、RP S19多量体による造血島形成作用を介した赤芽球の品質管理が不足することによる貧血症の発表をする予定です。
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