研究概要 |
最終年度の予定通り以下の研究を実施した。 1)酵母PichiaによるリコンビナントマウスCCL8の大量産生系を確立した。本組み換えCCL8を用いて種々のマテリアルを引き続き作成していく。数種類の抗体を作成し、サンドイッチELISA法に用いるための無血清化が終了した。免疫組織学的同定、フローサイトメーターによる同定、細胞および臓器タンパク質抽出液による同定が必要である。ホルマリン固定パラフィン切片、フローサイトメーターなどに適する抗体の完成に向けて複数のクローンを確立した。 2)GVHDモデルマウスの免疫細胞組織学的解析:移植後、各ステージにおけるCCL8を発現する細胞の詳細な検討を行った。特に肺において、CD11b(+),Mac1陽性細胞に大量のCCL8の発現を認めた。また、ホルマリン固定標本での検討では、皮膚、特に真皮に存在する大型細胞にCCL8の大量発現を見出した。この細胞の細胞系譜がCD11b(+),Mac1陽性骨髄由来顆粒球であることを明らかにした。 3)Zinc finger nuclease によるKOマウスの確立育種と戻し交配: CCL8発現欠損動物としてZinc finger nucleaseによる遺伝子改変を実施し、5種類のラインを確立し、すべてC57BL6の背景の近交系として確立した。これらのマウスの基礎的検討としてアロ移植を行い、GVHDでの死亡率が激減することが明らかとなった。
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