慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の疾患モデルマウスの作製を行い、病態発現機構の解明と新規治療薬の開発を目指した。 これまでの研究でEBV感染T/NK細胞がNOGマウスに生着し増殖するためには非感染CD4+T細胞の存在が必須であることが明らかとなった。H24年度はCEABVモデルマウス内のEBV-DNA量が高値を示した(10E4 copies/μgDNA以上)ところで非感染CD4+T細胞の除去を抗CD4抗体(OKT4抗体)で行い、治療への応用に関する検討を行った。OKT4抗体を投与した後、末梢血中のEBV-DNAは減少をはじめ、マウスの体重減少も軽減した。また、解剖の結果、非感染CD4+T細胞の除去によるEBV感染T/NK細胞の減少が示された。 本研究により、非感染CD4+細胞を標的とした感染TおよびNK細胞制御の可能性が示された。今後は非感染CD4+細胞のキャラクタリゼーションを行うとともに、感染T/NK細胞のマウス内での生着・増殖を助けているものがCD4+細胞における何であるのか(CD4+細胞の産生するサイトカインであるのか、細胞表面分子による相互作用なのか)について研究を進めていく。
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