研究課題/領域番号 |
22590383
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高宮 信三郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90138206)
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研究分担者 |
藤村 務 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70245778)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 低酸素適応 / ミトコンドリア / 好気的呼吸鎖 / 嫌気的呼吸鎖 / フマル酸還元酵素 / 寄生蠕虫 / マンソン裂頭条虫 / 回虫 |
研究概要 |
1) 本年度計画した以下の3つの課題、1)回虫感染幼虫(L3)およびC. elegans由来のシトクロム c 酸化酵素(複合体VI)の精製とサブユニット組成の解析、2)宿主の皮下織に寄生するマンソン裂頭条虫Spirometra erinaceieuropaeiプレロセルコイド(以下pleroと略す)の呼吸鎖解析、3) キノン結合蛋白の検索と同定、のうち、2)の課題について述べる。マンソン裂頭条虫の終宿主はイヌ、ネコなどで、その成虫は回虫成虫と同様、酸素分圧の低い宿主の腸管に寄生する。終宿主への感染は、その幼虫であるpleroを含むヘビなどの第二中間宿主を生で摂取することによるが、ヒトの場合、成虫にならずに幼虫のpleroのままで体内を移行し、いわゆる孤虫症を引き起こす。本研究では、シマヘビから採集したpleroおよびイヌから得た成虫からミトコンドリア(以下Mitと略す)をそれぞれ調製し、その呼吸鎖を比較解析した。すなわち、好気的呼吸鎖であるコハク酸酸化系の諸活性と嫌気的呼吸鎖であるNADH-フマル酸還元酵素活性を測定した。さらにMit中のユビキノン(UQ)とロドキノン(RQ)の量をHPLCを用いて定量した。その結果、成虫のNADH-フマル酸還元酵素のMit蛋白1mgあたりの活性はpleroの約25倍の値を示した。Pleroおよび成虫MitはいずれもRQ-10とUQ-10を含有し、RQが主成分であったが、キノンの総量は成虫のほうが多く、Mit蛋白あたりpleroの約6.2倍の含量であった。UQに対するRQの比(RQ/UQ)はpleroおよび成虫でそれぞれ4.9、30.5の値であった。これらの結果は、成虫Mitがplero Mitと比べてより嫌気的であることを示している。これまで、本条虫の呼吸鎖については不明な点が多くあったが、定量的な知見が得られた意義は非常に大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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