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2010 年度 実績報告書

糞線虫排除におけるIgEの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22590384
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

松本 真琴  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40380521)

研究分担者 中西 憲司  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
キーワード蠕虫 / 免疫学 / 抗体
研究概要

ヒト糞線虫のモデルであるStrongyloides venezuelensis(以下SVと略)は、げっ歯類の腸管に寄生する。その排虫にはTh2応答依存的に分化増殖する粘膜型肥満細胞が必須の役割を果たしていることが証明されている。また、SV感染はTh2応答依存的にB細胞に対してIgEへのクラススイッチを促し、大量のIgEを産生させるが、このIgEがSV感染制御に必要か否かについては、未だ結論が得られていない。本研究は、抗体のクラススイッチが障害されたAID欠損マウスにSVを感染させ、排虫過程を解析することにより、IgEが排虫機構に果たす役割を解明することを目的としている。
野生型マウスにSV幼虫を感染させて糞便中の虫卵数を数えると12日前後で虫卵数がゼロになるのに対し、AID欠損マウスは20日以上要した。感染後9日目の小腸内の成虫数を比較するとAID欠損マウス内の成虫数は野生型マウスの3倍以上であった。感染後10日目、14日目のAID欠損マウスにおいて粘膜型肥満細胞の分化増殖は正常に行われていた。また腸間膜リンパ節細胞によるTh2サイトカイン産生量も正常であった。すなわちIgE産生以外のTh2応答はAID欠損マウスにおいて障害されていないと考えられた。SVを感染させた野生型マウスから血清を採取し、AID欠損マウスに投与すると排虫の遅延が回復した。感染6日後のマウスに感染血清を投与し、その2日後の小腸内の成虫数を数えると非感染血清を投与したマウスに比べると成虫数の減少が見られた。以上の結果は抗体依存性の排虫機構の存在を示唆するものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Basophils are essential for rapidly expelling Strongyloides venezuelensis.2011

    • 著者名/発表者名
      松本真琴
    • 学会等名
      45^<th> Annual Japan-U.S. Joint Conference on Parasitic Diseases
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-01-11
  • [学会発表] Strongyloides venezuelensisの感染防御における好酸球と好塩基球の役割について2010

    • 著者名/発表者名
      松本真琴
    • 学会等名
      第66回日本寄生虫学会西日本支部大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2010-11-06
  • [学会発表] Basophils play a pivotal role in the expulsion of gastrointestinal nematode Strongyloides venezuelensis.2010

    • 著者名/発表者名
      松本真琴
    • 学会等名
      14^<th> International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-08-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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