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2010 年度 実績報告書

ヘリコバクターピロリの持続感染成立における菌の代謝酵素アスパラギナーゼの関与

研究課題

研究課題/領域番号 22590410
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

柴山 恵吾  国立感染症研究所, 室長 (50283437)

キーワードヘリコバクターピロリ / 病原性 / アスパラギナーゼ / 胃癌 / 胃炎 / 胃潰瘍 / アスパラギン代謝 / 代謝酵素
研究概要

内容:H.pylori 26695より、アスパラキナーゼを精製した。精製アスパラキナーゼは、リンパ腫由来であるU937細胞に顕著な細胞毒性を示した。H.pylori 26695のアスパラギナーゼ欠損株を作製し、cell lineに対する細胞毒性を解析したところ、U937細胞に対する細胞毒性が有意に減少した。RIラベルの基質を用いてアスパラギン及びアスパラギン酸の細胞内への取り込みにおけるアスパラギナーゼの役割を解析した結果、H.pyloriは細胞外のアスパラギンをアスパラギナーゼの働きでアスパラギン酸に変換して細胞内に取り込んでいることが分かった。
意義:H.pyloriのアスパラギナーゼは、菌のアスパラギンの利用に必須の代謝酵素として働いていると共に、宿主に対しては細胞毒性を示す病原因子として働いている事が分かった。感染局所においてアスパラギナーゼは主にリンパ球に対して細胞毒性を発揮して、宿主免疫からの回避と生存、そして病態形成に関与するという、菌の代謝酵素が積極的に病原性に関与しているメカニズムが明らかになった。
重要性:ヘリコバクターピロリの持続感染メカニズム、病原性の全体像を明らかにしていくにあたり、一つの重要な足掛りを得ることが出来た。今後この知見をさらに発展させ、この菌による胃炎、胃潰瘍、胃癌の発生メカニズムの解明につながると期待できる。

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公開日: 2012-07-19  

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