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2010 年度 実績報告書

cystatinーCは、どのようにしてCD4非依存性HIV感染を促進するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 22590416
研究機関長崎大学

研究代表者

久保 嘉直  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30273527)

キーワードHIV / カテプシンB / cystatin-C / 自然免疫
研究概要

CD4非依存性HIV感染を促進する細胞因子として、cystatin-Cを同定した。cystatin-Cは、カテプシンBやL等のシステインプロテアーゼの阻害因子として働くことが既に知られている。cystatin-Cが、これら蛋白質分解酵素活性を抑制することにより、CD4非依存性HIV感染を促進しているのかどうか解析するため、カテプシンBの合成阻害剤CA-074Meと、カテプシンLの合成阻害剤CLIK148の影響を観察した。その結果、標的細胞のCA-074Me処理は、CD4非依存性感染を5-8倍促進した。しかし、CD4依存性感染には影響しなかった。一方、CLIK148処理は、CD4非依存性感染にもCD4依存性感染にも影響しなかった。これらの結果は、CD4非依存性HIV感染がカテプシンBによって抑制されていることを示している。
次に、様々な細胞株におけるカテプシンB活性とCD4非依存性HIV感染感受性を測定した。CD4非依存性HIV感染感受性は、カテプシンB活性と逆相関していた。最もカテプシンB活性が高かったSAOS2細胞は、CD4非依存性HIV感染に対し耐性であった。最もカテプシンB活性が低かった293T細胞におけるカテプシンBの強制発現は、CD4非依存性HIV感染を抑制した。
カテプシンB発現は、自然免疫を活性化するLPSによって、増加することが知られている。そこで、LPSのCD4非依存性HIV感染に及ぼす影響を観察した。標的細胞のLPS刺激は、カテプシンB発現を上昇させ、CD4非依存性HIV感染を阻害した。LPS刺激細胞をカテプシンB阻害剤CA-074Meにより処理すると、CD4非依存性HIV感染は回復した。これらの結果は、宿主細胞のカテプシンBがCD4非依存性HIVに対する自然免疫因子であり、CD4非依存性HIV感染感受性を決定する重要な細胞因子の1つであることを示している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Surfactant protein C G100S mutation causes familial pulmonary fibrosis in Japanese kindred2011

    • 著者名/発表者名
      S.Ono, T.Tanaka, M.Ishida, A.Kinoshita, J.Fukuoka, M.Takaki, N.Sakamoto, Y.Ishimatsu, S.Kohno, T.Hayashi, M.Senba, M.Yasunami, Y.Kubo, L.M.Yoshida, H.Kubo, K.Ariyoshi, K.Yoshiura, K.Morimoto
    • 雑誌名

      European Respiratory Journal

      巻: (In press 掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] PH-independent activation of endosomal cathepsin proteases induces pH-independent infection by MLV and XMRV2010

    • 著者名/発表者名
      H.Kamiyama, M.Iwao, N.Yamamoto, Y.Kubo
    • 学会等名
      Workshop on Retroviral Pathogenesis
    • 発表場所
      ニューポートビーチ、ロサンジェルス、アメリカ
    • 年月日
      2010-11-18
  • [学会発表] カテプシンBはCD4非依存性HIV感染感受性の重要な決定因子の1つである2010

    • 著者名/発表者名
      久保嘉直、吉居廣朗、神山陽香、田中勇悦、佐藤裕徳、山本直樹
    • 学会等名
      日本ウイルス学会学術総会
    • 発表場所
      徳島、あわぎんホール
    • 年月日
      2010-11-09
  • [学会発表] TetherinのHIV-1 cell-cell transmissionに及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      神山陽香、岩尾正倫、佐藤裕徳、山本直樹、久保嘉直
    • 学会等名
      日本ウイルス学会学術総会
    • 発表場所
      徳島、あわぎんホール
    • 年月日
      2010-11-09
  • [学会発表] XMRVのXC細胞におけるエンドソーム依存性かつ、その酸性化を必要としない感染機構について2010

    • 著者名/発表者名
      久保嘉直、神山陽香、山本直樹
    • 学会等名
      日本ウイルス学会学術総会
    • 発表場所
      徳島、あわぎんホール
    • 年月日
      2010-11-08
  • [学会発表] Murine leukemia virus in Japanese prostate cancer patients and its cell entry mechanism2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Kubo, H.Kamiyama, T.Matsuyama, N.Yamamoto
    • 学会等名
      China-Japan International Conference of Virology
    • 発表場所
      ハルピン、中国、ハルピン医科大学
    • 年月日
      2010-07-05
  • [学会発表] Murine leukemia virus in Japanese prostate cancer patients and its cell entry mechanism2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Kubo, H.Kamiyama, T.Matsuyama, N.Yamamoto
    • 学会等名
      Nagasaki-Singapore Medical Symposium on Infectious Diseases
    • 発表場所
      シンガポール、国立シンガポール大学
    • 年月日
      2010-04-15
  • [図書] Cell Fusions : regulation and control2011

    • 著者名/発表者名
      Lars-Lnge Larsson Editor
    • 総ページ数
      41-61
    • 出版者
      Springer Press

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公開日: 2012-07-19  

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