研究課題
抗インフルエンザ薬として用いられているものはタミフル、リレンザなどのノイラミニダーゼ阻害薬が主なものであり、耐性ウイルスの出現や、副作用の可能性などの問題がある。ノイラミニダーゼ以外のウイルスの標的とする薬を見いだすことを考え、ウイルス株間で保存性の高い、インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼを解析し、これに対する阻害剤を探索した。特にインフルエンザウイルスのエンドヌクレアーゼ阻害活性を指標に化合物のスクリーニングを行い、抗インフルエンザ薬を探索した。1)インフルエンザRNAポリメラーゼのエンドヌクレアーゼドメインタンパク質を精製し、その活性の最適条件を検討し、基質の最適化など、生化学的な性状を解析した。2)サリドマイドアナログ化合物によるインフルエンザ・エンドヌクレアーゼ阻害薬を探索した。サリドマイドは現在は多発性骨髄腫の治療薬などとして用いられている。サリドマイドは様々な酵素に作用することが明らかになってきている。このサリドマイドを基にした多数のアナログが抗インフルエンザ薬などの他の薬として用いることができるというアイデアを申請者は考えた。連携研究者である橋本祐一氏は、多数のサリドマイドアナログを有機化学的に合成している。それらの他種類のサリドマイドアナログに対して、エンドヌクレアーゼ阻害活性を検定し探索したところ、複数の候補化合物を得た。3)緑茶カテキンがこのエンドヌクレアーゼ活性を阻害することを見いだした。4)立体構造からコンピュータシミュレーションを利用した結合化合物の予測によるインフルエンザ・エンドヌクレアーゼ阻害薬を探索した。
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