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2012 年度 実績報告書

日本脳炎ウイルスNS4Aによる病原性誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22590423
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

田島 茂  国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (60311346)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード日本脳炎ウイルス / NS4A
研究概要

これまでに我々は、遺伝子型I型日本脳炎ウイルス(JEV)の非構造蛋白質NS4AのN末端側から3番目のアミノ酸をバリン(Val)からイソロイシン(Ile)へ置換することにより、マウスに対する病原性が増強することを報告した(Yamaguchi et al. 2011)。しかし本部位がIle(3-Ile型)であるI型JEV株は、我々が配列決定した中ではこれまでMie/40/2004株が唯一であり、データベース上でも国内分離株としては登録がなかった。この理由として、NS4A領域の配列データが蓄積されていないことが考えられた。本年度は国内および国外での3-Ile型株の蔓延状況を把握し、かつMie/40/2004株以外の3-Ile株の性状解析を進めることにより国内に存在するJEVを監視することを目的とし、研究を進めた。1994年から2010年に国内で分離されたI型JEV分離株のNS4A領域の塩基配列を決定したところ、約20%が3-Ile型であった。これらの株は2004年から2008年の間に本州で分離されたものであった。系統樹解析によりその多くが非常に近縁であることがわかった。3-Ile型株より5株を選択し全塩基配列を決定したところ、うち4株はMie/40/2004株とアミノ酸配列に相違がみられた。哺乳動物由来株化細胞を用いたin vitroでの増殖能は、Mie/40/2004株を含む3-Ile型5株で顕著な差異は観察されなかった。一方、蚊由来培養細胞では株間で大きいもので7倍程度の差異が観察された。マウスへの接種実験ではMie/40/2004株に比べ明らかに病原性の低い株が1株見いだされた。これより、3-IleはJEVを強毒化する絶対的な要因ではないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Characterization of a serine-to-asparagine substitution at position 123 in the Japanese encephalitis virus E protein2013

    • 著者名/発表者名
      Yanaguchi, Y
    • 雑誌名

      Journal of General Virology

      巻: 94 ページ: 90-96

    • DOI

      10.1099/vir.0.044925-0

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本脳炎ウイルスNS4Aの分子疫学的解析2012

    • 著者名/発表者名
      田島茂
    • 学会等名
      第60回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      大阪府
    • 年月日
      20121113-20121115
  • [学会発表] デングウイルスおよび日本脳炎ウイルス感染細胞における細胞側遺伝子発現動態の網羅的解析2012

    • 著者名/発表者名
      田島茂
    • 学会等名
      第19回トガ・フラビ・ペスチウイルス研究会
    • 発表場所
      大阪府
    • 年月日
      20121112-20121112
  • [学会発表] 非構造蛋白質NS4Aに着目した日本脳炎ウイルスの分子疫学的解析2012

    • 著者名/発表者名
      田島茂
    • 学会等名
      第47回日本脳炎ウイルス生態学研究会
    • 発表場所
      熊本県
    • 年月日
      20120525-20120526

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公開日: 2014-07-24  

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