IL-21はTGF-βやIL-6、IL-23と共にTH17細胞分化増殖に関与していることが知られている。 IL-21の情報伝達機構の全容はまだ完全に明らかになってはいない。そこで私達はIL-21により細胞質から核内へ移行する情報伝達分子の検索を行ってきた。その結果、マウスB細胞株においてIL-21刺激によりApurinic/apyrimidinic endonuclease1/redox factor-1(Ape1/Ref-1)が核内で増加することを見いだした。Ape1/Ref-1の核内増加は、IL-21情報伝達刺激としてJAKの活性化に依存性であった。また、新規蛋白合成を阻害すると核内の介することから、細胞質内蛋白の核移行ではなく、遺伝子転写活性化を伴うものであると考えられた。Ape1/Ref-1はエンドヌクレアーゼ活性とレドックス制御活性を持ち、様々な分子の活性を制御することが知られている。そこで、IL-21の情報伝達におけるApe1/Ref-1の役割を解析した。Ape1/Ref-1の強発現はIL-21依存性細胞増殖を亢進させ、また、レドックス調節ドメインの欠失変異体はIL-21依存性細胞増殖能を抑制した。従ってApe1/Ref-1はIL-21情報伝達に重要な役割を担っていることが示された。 また、IL-21受容体に会合する分子としてWSB-1とWSB-2を同定しているが、これら分子とApe1/Ref-1分子との関わりにつていも解析を進めている。
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