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2011 年度 実績報告書

イムノグロブリンクラススイッチにおけるPI3Kによる制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22590437
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

藤猪 英樹  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50356250)

キーワードイムノグロブリン / クラススイッチ / PI3K / Akt / IL-4 / LPS / B細胞
研究概要

これまでにクラスIA型フォスフォイノシタイド3キナーゼ(PI3K)の制御サブユニットであるp85αKOマウスにおいてIgEの産生亢進が見られる事を報告した。in vitroにおいてもPI3K阻害剤を用いる事でIgEへのクラススイッチリコンビネーション(CSR)が亢進する事を確認し、p85αのCSR制御機構におけるp85αが制御する標的分子を明らかにすることを目的として、PI3K依存的CSRに直接関与するサイトカインシグナルとPI3Kシグナルの関係について解析を行った。
その結果、LPS刺激によるIgG1、IgG3へのCSRがp85αノックアウトマウス由来のB細胞において著減する際に、CSRに必須であるgerm line transcription(GLT)、post switch transcript(PST)の形成も減少していることを確認できたことに加え、PI3Kシグナルの下流で鍵分子として働くことが想定されているAkt1/2がp85αノックアウトマウス由来のB細胞においてもリン酸化されることを明らかにした。このことにより、LPSシグナルはPI3Kを介さないAkt1/2の活性化を支配していることが示唆された。さらに、p85αノックアウトマウス由来のB細胞をLPS刺激した際、CSRに必須の分子であるAIDの発現も低下することが示唆された。
転写因子の検索に於いて、NFkBおよび53BP1の関与が強く示唆された。一方、IgG2へのCSRの関与が報告されているT-betは、LPS刺激におけるPI3KとCSRの関連性において関連は見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

活性化型Akt-MerをコードするDNAを導入したマウスを用いた実験に着手できていないため、Aktの非依存性に対して裏付けが終わっていない。

今後の研究の推進方策

Micro arrayによるPI3K依存性CSRを制御している転写因子およびサイトカインシグナルの同定をクラスター解析により、時空間的推移を解明する。それによりCSRの人為的制御に繋げるターゲットを洗い出す。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Langerhans cell antigen capture through tight junctions confers preemptive immunity in experimental staphylococcal scalded skin syndrome2011

    • 著者名/発表者名
      Ouchi T
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine

      巻: 208(13) ページ: 2607-2613

    • DOI

      10.1084/jem.20111718

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Desmoglein 3-specific CD4+ T cells induce pemphigus vulgaris and interface dermatitis in mice2011

    • 著者名/発表者名
      Takahashi H
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Investigation

      巻: 121(9) ページ: 3677-3688

    • DOI

      10.1172/JCI57379

    • 査読あり
  • [雑誌論文] HIV-1 Nef impairs multiple T-cell functions in antigen-specific immune response in mice2011

    • 著者名/発表者名
      Fujii H
    • 雑誌名

      International Immunology

      巻: 23(7) ページ: 433-441

    • DOI

      10.1093/intimm/dxr031

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diet-Induced Adipose Tissue Inflammation and Liver Steatosis Are Prevented by DPP-4 Inhibition in Diabetic Mice2011

    • 著者名/発表者名
      Shirakawa J
    • 雑誌名

      Diabetes

      巻: 60(4) ページ: 1246-1257

    • DOI

      10.2337/db10-1338

    • 査読あり
  • [学会発表] 制御性T細胞機能におけるclass IA PI3Kの役割2011

    • 著者名/発表者名
      藤猪英樹
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会学術集会(2011年11月27日-29日)
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉市)
    • 年月日
      2011-11-29
  • [学会発表] タイトジャンクションを介したランゲルハンス細胞の抗原獲得は実験的ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群において先制的な液性免疫を担う2011

    • 著者名/発表者名
      永尾圭介
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会学術集会(2011年11月27日-29日)
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉市)
    • 年月日
      2011-11-29
  • [学会発表] 抑制性T細胞機能におけるPI3Kの役割2011

    • 著者名/発表者名
      藤猪英樹
    • 学会等名
      第21回Kyoto T Cell Conference(2011年6月10日-11日)
    • 発表場所
      京都平安ホテル(京都市)
    • 年月日
      2011-06-11
  • [図書] 免疫の事典2011

    • 著者名/発表者名
      桂義元, 他(編集)
    • 総ページ数
      174-175, 332-333, 410
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2013-06-26  

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