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2010 年度 実績報告書

自己免疫疾患と生活習慣病を結ぶリスクファクター遺伝子の生理機能と病態

研究課題

研究課題/領域番号 22590446
研究機関独立行政法人国立国際医療研究センター

研究代表者

高木 智  独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所免疫制御研究部, 部長 (10242116)

キーワード自己免疫 / 免疫寛容 / 疾患関連遺伝子 / アダプター蛋白質
研究概要

I型糖尿病やセリアック腸炎等の自己免疫疾患、心筋梗塞、血圧異常に共通した疾患関連遺伝子としてその多型が報告され注目を集めている細胞内アダプター蛋白質Sh2b3/Lnkについて、作用標的となる細胞や細胞間相互作用を明らかにし、自己免疫疾患や心血管障害の克服へ向けての基盤を確立する。免疫寛容や慢性炎症に関わる未知の制御機構を明らかにして、病態形成過程の理解と新たな治療標的の創出に資する。Sh2b3/Lnkの発現低下は造血系及び免疫系細胞の産生に大きな影響を及ぼす。各種刺激や環境による発現の変化、組織内での発現細胞の分布について解析するため、Sh2b3/Lnk遺伝子座にGFPをノックインしたマウスを作成し、一次、二次リンパ器官や腸管粘膜組織におけるSh2b3/Lnk発現細胞の組織内分布、Sh2b3/Lnk発現量の変化を検討した。B細胞、樹状細胞で発現が高いこと、B細胞系では骨髄B前駆細胞で一旦低下し分化成熟に伴って発現が回復することを確認した。胸腺細胞では発現はみられないが、成熟T細胞でもB細胞には及ばないものの発現の回復がみられた。腸管関連組織のT細胞では脾臓や末梢血のT細胞に比べ発現が低下することがわかった。I型糖尿病やセリアック病の危険因子としてSh2b3/Lnkが同定されていることを鑑み、これまで解析が進められていない腸管粘膜免疫応答への関与について解析した。Lnk欠損マウスの小腸遠位部では絨毛萎縮が自然発症することがわかった。この絨毛萎縮の性状について、IEL及びLPLの細胞分画の変化、サイトカイン産生能、反応性を検討した。Lnk欠損脾臓細胞の養子リンパ球移入実験等により絨毛萎縮が生じること、成熟T細胞の内因性異常が主因であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Lnk-dependent axis of SCF-cKit signal for osteogenesis in bone fracture healing.2010

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto T
    • 雑誌名

      The Journal of Experimental Medicine

      巻: 207 ページ: 2207-2223

    • 査読あり
  • [学会発表] Lnk/SH2B3, a gene associated with risk of several autoimmune diseases regulates proliferation and retinoic acid production of dendritic cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki Y
    • 学会等名
      The 14th International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20100822-20100827
  • [学会発表] The maintenance of gut-associated lymphoid tissues regulated by Lnk/Sh2B3 adaptor, a shared risk factor gene associated with type 1 diabetes and celiac disease.2010

    • 著者名/発表者名
      Takaki S
    • 学会等名
      The 14th International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20100822-20100827
  • [学会発表] Generation of engraftable hematopoietic stem cells from teratomas formed by an injection of induced pluripotent stem cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Suzuki N
    • 学会等名
      International Society for Stem Cell Research.
    • 発表場所
      サンフランシスコ
    • 年月日
      20100616-20100619

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公開日: 2012-07-19  

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