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2011 年度 実績報告書

鼻粘膜における交叉防御性抗体産生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22590447
研究機関独立行政法人医薬基盤研究所

研究代表者

紅露 拓  独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, プロジェクトリーダー (90372424)

キーワード自然抗体 / B-1細胞 / 経鼻ワクチン / インフルエンザ
研究概要

1)鼻粘膜IgAの由来細胞の確認:B-2細胞による抗体産生にはヘルパーT細胞の存在が必須であるのに対して、B-1細胞の場合、T細胞非依存性にも抗体産生が起こることが知られている。そこでT細胞を欠損するヌードマウスに経鼻インフルエンザワクチンを投与したところ、抗体産生は全く起こらなかった。この実験結果は鼻粘膜IgA産生はB-2細胞が行ない、B-1細胞は補助的な役割を持つことを強く示唆するものである。
2)鼻粘膜IgAの交叉反応性の検出:経鼻インフルエンザワクチン投与後のマウス鼻腔洗浄液を限外ろ過法にて濃縮することにより、MDCK細胞を用いたウイルス中和試験で中和活性を検出することができた。しかしサンプル中の抗体量の制限から亜型ウイルスに対する交叉中和性の測定には至らなかったため、不活化ウイルスを抗原としたELISA法により、交叉結合能を測定した。その結果、血清IgGおよびIgAは交叉結合性を示さなかったのに対し、鼻腔洗浄液IgAは交叉結合能を示した。このことから気道粘膜IgAは血清IgAとは異なる抗原特異性を持つ、あるいは分泌型IgAの形を取ることにより交叉結合能を獲得する、などの機構により交叉防御能に関与している可能性が考えられる。
3)その他:Btkノックアウトマウスを用いてインフルエンザウイルス感染実験を行った。経鼻インフルエンザウイルスを事前投与し、防御能は感染2日後の鼻腔洗浄液中ウイルス量の測定により評価した。Btkノックアウトマウスは自然抗体を持たないにもかかわらず、ワクチン接種前の感染感受性は対照群と同程度であった。しかし、ワクチン投与により得られる感染防御能は対照群と比べ有意に低かった。交叉防御能については低いなりに観察された。このことからA.Btkノックアウトマウスは経鼻ワクチン投与時の鼻腔IgA産生は低いが産生される抗体の交叉反応性は野生型と同じである。B.Btkノックアウトマウスでは細胞性免疫により感染防御が維持されており、これが交叉防御能も備えている。の2つの可能性が考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of Innate IL-5-Producing Cells and Their Role in Lung Eosinophil Regulation and Antitumor Immunity2012

    • 著者名/発表者名
      M.Ikutani, T.Yanagibashi, M.Ogasawara, K Tsuneyama, S.Yamamoto, Y.Hattori, T.Kouro, A.Itakura, Y.Nagai, S.Takaki, K.Takatsu
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology

      巻: Vol.188 ページ: 703-713

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1101270

    • 査読あり
  • [学会発表] B-1 cell supports antigen specific IgA production induced by the intranasal influenza vaccine2011

    • 著者名/発表者名
      篠田香織、飯田隆治、服部祐紀、紅露拓
    • 学会等名
      日本免疫学会第40回学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2011-11-27
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibio.go.jp/part/project/immunoresponse_control/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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