研究課題/領域番号 |
22590453
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高屋敷 明由美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80375500)
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研究分担者 |
前野 哲博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40299227)
小林 志津子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (20569602)
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キーワード | 地域医療学 / 地域枠 / 医療崩壊 / キャリアパス |
研究概要 |
地域枠医学生の入学動機と、将来のキャリアイメージを明らかにすることを目的とした全国調査を実施した。全国の医学部(自治医科大学を除く)のうち、平成22年度に地域枠を導入していた大学(63大学)の中で同意の得られた38大学において調査を実施した。対象は、当該大学の平成22年度地域枠入学生全員とした。調査は平成22年6月~10月に実施し、自記式の質問票を用いて、進学の動機について「地域枠を志望した理由」「奨学金が進学に与えた影響」について質問した。また、将来医師不足地域で働く意思について「義務年限終了後」「仮に地域での就労義務がなかった場合」それぞれについて尋ねた。 対象者は542人で、440人より回答が得られ(回収率81.2%)、有効回答者は415人(男237人、女178人)であった。そのうち、奨学金の貸与を受けている学生は332人であった。地域枠を志望した最も大きな理由は、「医師不足に貢献」30.4%、「医学部に進学したかった」27.1%、「比較的入学しやすい」18。4%、「奨学金」17.9%であった。また、奨学金が進学に与えた影響については、貸与を受けている対象者の62.9%が「進学に影響した」と回答した。将来医師不足地域で働くことについては、義務年限終了後に52.4%が「就職したい」、38.8%が「特にこだわらない」と回答した。地域での就労義務がなくても、21.2%が「ライフワークにしたい」、33.5%が「5年以上診療したい」と回答した。地域枠の入学動機には、医師不足地域への貢献以外にも、奨学金、医学部入学の容易さがある程度影響している。その一方で、将来の進路に対するモチベーションは極めて高く、今後はこのモチベーションを維持して、確実なキャリア選択につなげていく支援が重要と思われる。
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