平成22年度に地域枠の入学生を対象に38大学で実施したアンケート調査の追跡調査を行っ平成22年度に地域枠の入学生を対象に38大学で実施したアンケート調査の追跡調査を行った。平成24年度は前回協力大学のうち31大学から協力が得られ、同大学の地域枠の3年生全員を対象に調査を実施した。回答数は417人(回収率76.4%)、本研究における地域枠の定義(卒業後に特定の条件で終了することを確約して入学した医学生)にあてはまる学生は338名であった。現時点での粗集計の結果を以下に記す。 基本情報:性別男性57.2%、身内に医師がいる者36.2% 将来志望の専門科(15%以上の回答者が選択したもの):内科63.5%を、総合診療科42.8%、小児科39.5%、外科30.3%、産婦人科19.2%、救急18.8%、麻酔科17.7%、整形外科15.5%(重複回答)は、 卒業後に就労義務があることをストレスに感じているかについて、6.3%がいつも、14%がしばしば、30.6%が時折感じていると回答した一方で、40.6%が地域枠であることが学業の励みになっていると回答した。また、義務年限後に医師不足地域に就職したくないと回答した者は12.2%に留まり、もしも特定の地域での就労義務がないとすれば医師不足地域の診療に関わりたいかについて、6.3%が「ライフワークにしたい」と、25.8%が「5年以上診療してみたい」。60.5%が「数年以内であれば診療してもかまわない」と回答した。平成22年調査の入学時に引き続き、地域枠の学生はおおむね医師不足の地域の診療に貢献したいと考えていることが明らかになった。今後、2年前のデータと連結して、個別の地域枠学生の考えの変化を明らかにするための解析を行う予定である。
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