本年は、乳がん手術待機期間の短縮に対する支払意志額を明らかにすることを目的に、まずは乳がん既往者に聞き取り調査を行った。対象は任意の1施設の3名の任意患者である(全員乳房切除(全摘)を受けており、うち1名は再発ホルモン療法中)。 これら対象者にがんセンターで1か月先といわれた手術をすぐに受けるための最大支払意志額をオープンエンドで聴取した。結果、1万円、5万円、20万円とばらつきがみられた。 この結果をもとに初期提示額1万円、5万円、20万円の二段階二項選択形式の質問票を作成した。これは1万円に対する支払意志があれば次に2万5千円に対する支払意志を伺い、1万円に対する支払意志がなければ次に5千円に対する支払意志を問うものである。これにより手術待機期間短縮に対する需要推定が可能となる。 この調査票をもとに乳がん患者への調査を計画し、調査対象の医療機関に調査協力の打診を行ってきたが、現時点では協力を得られておらず、乳がん患者以外への調査への切り替えを検討中である。
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