研究概要 |
【研究背景】急性期入院医療に視点を置き、診断群分類調査データを二次利用し、保険者と病院のマスタ整理し、北海道と福岡県の医療の需要供給と空間アクセス分析を行った。 【方法】『診断群分類の精緻化とそれを用いた医療評価の方法論開発に関する研究(H22-政策-一般-031)』の研究報告『レセプト電算コードを活用した地域医療の需要供給関係の定量化・可視化の試み、北海道・福岡県の国民健康保険患者と施設の診療プロセス需要供給の定量化』の集約データの二次利用である。このデータには保険者と病院のレセプト電算別月別件数と診断群分類番号別件数が集約されている。病院所在地情報は北海道九州厚生局データから住所を、保険者は後期高齢者医療、市町村国保、国保組合、退職者医療とし、『保険者、公費負担者番号・記号表(平成22年4月版)』から住所を収集し、二次医療圏情報を付加した。Market Planner GIS [○!R]から位置情報として病院保険者の緯度経度と道路距離を抽出した。保険者と病院の空間アクセス、北海道および福岡の二次医療圏別の保険者病院移動行列表を作成した。 【結果】北海道と福岡県の国保保険者数は527、233件、病院は77、74病院、二次医療圏は21, 13であった。保険者と病院の組み合わせと平均直線距離、道路距離は北海道5,044組(道路距離情報が収集できたのは4,943組)、93.3Km、95.3Km、福岡3,490組23.8Km、25.4Km、直線距離と道路距離のSpearman相関係数は北海道0.947、福岡0.989であった。北海道の7医療圏では分析対象病院がなかった。福岡の3医療圏では眼科領域または周産期または新生児期の医療提供がなかった。 【意義と重要性】病院保険者マスタ整備と診断群分類をはじめとしたレセプト情報を活用すれば、各県の二次医療圏別の保険者病院の移動行列表の記述と、空間アクセスを考慮した医療の需要供給が分析できる。これらを活用し近隣二次医療圏の統合モデルまたは分割モデルの作成が可能となり、医療計画に資することができると考える。
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