本年度は、年度途中での研究費補助金給付の決定であったため、必ずしも十分な研究活動を行うことができなかったが、次年度以降の研究成果に繋がる環境整備に取り組むことができたと考えている。まず第一の成果としては、日本プライマリ・ケア連合学会の「地域ケアネットワーク委員会」の中に「グループ診療の実践に関するワーキングループ」を設置することができた。また、その座長には研究代表者の寺崎が就任し、学会活動の一環として本研究課題についての取り組みを行うことの基盤ができたものと評価している。そのワーキンググループは、実地でグループ診療を実践している開業医や大学の研究者など、合計8名のメンバーで構成しており、平成22年度中に会議を2回開催した。その中で、平成23年7月に札幌で開催される日本プライマリ・ケア連合学会の第2回学術大会において、学会本部企画としてシンポジウム「いよいよ見えてきたグループ診療の未来-地域におけるプライマリ・ケア提供基盤の整備-」を行うことが決定し、現在そのための準備に取り組んでいるところである。このシンポジウムの内容は、録音・録画して後日研究資料としてまとめる予定である。 次いで第二の成果としては。日本医療・病院管理学会の例会として、「総合医」に関わるテーマでシンポジウムを計画することができたことである。このシンポジウムは平成23年5月28日に行う予定で、グループ診療の目指すプライマリ・ケア体制の充実には、「総合医」などの機能や今後の制度化を巡る議論は極めて重要であり、当日の議論も研究資料としてまとめたい。
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