今年度は以下の2項目を目的とし、研究を実施した。 1) 当院に2009年に導入されたBrainLAB社のiPlan net(サーバー型の治療計画装置)を用いて、放射線治療計画の結果を病院内において、モバイル端末で参照できる方法を開発する。 このシステムはすでに海外では、タブレット型のノートパソコンでの操作は可能な状況になっているが、当院の医療情報システムが閉鎖された状況であることもあり、iPlan netが動作可能なパソコンから無線LANで接続する形式での接続であれば対応可能であることを確認した。ただし、iPlan netのサーバー側のセキュリティーの設定についてBrainLAB社の対応が必要であり、現時点で院内での実証実験は実施できていない。次年度に予定する。 2) 遠隔施設で実施する際に必要な準備を行う。 遠隔での放射線治療支援を放射線腫瘍医が実際に立ち会った状況と同様に行うためには、以下の要件を考慮した対応が必要となる。 (1) 診療情報や放射線治療の実施パラメーターなど事前確認と治療後の承認などの事後確認が必要となる。このプロセスはノンリアルタイムで実施可能である。 (2) 治療時の医師精度の確認や修正はノンリアルタイムで実施が必要である。 この状況を満たすためには、Web会議システムに種々の医療用の画像などを取り込み可能に改変したシステムでの対応が可能であり、このシステムの共同開発をメーカーに依頼した。
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