研究課題/領域番号 |
22590484
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
守川 耕平 北里大学, 医療衛生学部, 研究員 (50464805)
|
研究分担者 |
塩見 佳也 九州大学, 法学研究院, 専門研究員 (10432832)
渡邊 高志 高知工科大学, 地域連携機構, 特任准教授 (70210911)
|
キーワード | 健康食品 / 補完医学 / 食品衛生法 / 薬物代謝酵素 / 医薬品相互作用 |
研究概要 |
健康食品は、そのものを規定する単独の法律がなく消費者の安全性確保が課題である。食品衛生法・健康増進法並びに関連する行政基準により特定保健食品を含む「保健機能食品」でも、人々の暮らしを守る上で最も大切な「食の安全性」の確保が困難である。本研究は個別法令を統合する観点を設定し、健康食品に関する「リスク」に対する、一層効果的な事前介入と規制密度を緻密化する必要があるとの認識の下、昨年度採択された挑戦的萌芽研究成果を更に発展させるため本研究を計画実行するに至った。当該年度は、基礎研究は健康食品の法制度の問題点を把握し、補完利用する場合に必要な法律とその利用可能性を検討した。また、健康食品の審査申請段階での科学的安全性の検討として健康食品とである紅豆杉を補完医学素材として利用し、薬物代謝酵素の阻害活性の重要性ならびに薬物代謝酵素阻害活性実験系の評価を行った。また、紅豆杉がリウマチ疾患患者に消費される食品であることから補完医学素材として動物実験を用い患者が利用することによりQOL向上をもたらすことを評価した。 研究結果として、健康食品を補完医学用食品として利用するにあたり現行の食品衛生法7条を厳格適用することで利用可能であることが示唆され、食品の安全性を評価すに関する検討は、医薬品審査申請スキームを参考にし、医薬品との飲み合わせ特に薬物代謝酵素に関わる相互作用に注目しなければならないことを主張した。その評価系における実験も行い、健康食品の薬物代謝酵素阻害活性を測定し、相互作用を予測することが可能であることが示唆された。また、リウマチ患者に多く利用される食品の紅豆杉は、動物実験から患者のQOL向上に寄与する食品である可能性が示唆された。 以上、次年度は、これら得られた見地から、健康増進法窓の法律を分析、安全性評価のため数十種類の健康食品の薬物代謝酵素阻害活性を測定し、データの蓄積を図る。
|