研究課題/領域番号 |
22590488
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
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研究分担者 |
梅里 良正 日本大学, 医学部, 准教授 (60213485)
小野 充一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80409698)
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キーワード | 医療の質 / 病院機能評価 / クリニカル・インディケータ / 緩和ケア / ISO 9001 |
研究概要 |
本研究の目的は、病院機能評価の課題、および、ISO 9001を病院に適用する際の課題を評価することにより、継続的に医療の質向上に寄与する仕組みのあり方を明らかにすることである。 平成23年度は、その一環として、医療の質向上に向けた取り組み等に関する情報収集、および、緩和ケア領域などを対象に、質評価に関する手法の検討を行った。主な内容は下記のとおりである。 ・診療データからのAdverse Eventsの分析方法の確立を目指し、転落転倒症例の抽出、人工呼吸器由来の肺炎の抽出、留置カテーテル由来の尿路感染の抽出などについて検討を行った。その結果、病名・手術名の時系列的な関係の把握の困難さ、診療行為コードの不明確さなどの課題などが明らかとなった。 ・転落転倒の状況を診療データから正確に把握することは、医療安全の評価において重要な課題である。 インシデントレポートの自動分析は、本研究のアプローチとは異なるが、有効な視点と考えられる。安全文化を育むマネジメントのあり方を含め、医療安全に関する情報分析手法の検討を続ける予定である。 ・病院機能評価において、緩和ケア領域の評価項目改定が行われたところである。しかし、これは、外部からの実地審査による評価方法であり、継続的な質改善のための評価方法はまだ確立していない。自己評価の方法および評価票の内容などについて検討を行い、素案を作成した。 平成24年3月に、本研究の検討対象の一つである病院機能評価において、次期改定の枠組みと新たな評価項目が公表された。次期評価体系および評価項目の判定の指針や審査手順などに関する情報を収集し、現行の評価体系との違い、および改定の方向性と課題について整理することが必要となった。 最終年度は、これらの点を踏まえ、継続的な質改善活動を促すために有効な仕組みのあり方についての検討成果をとりまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年3月に、本研究の検討対象の一つである病院機能評価において、次期改定の枠組みと新たな評価項目が公表された。この内容についての分析が早急に必要となったが、改定時期はおおむね予想した範囲内であり、研究計画の進捗に大きな影響は無い。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、診療情報管理に関わる医師および診療情報管理士、品質マネジメントシステム(ISO9001)の審査員、緩和ケアに関わる医師および看護師などを研究協力者に含め、会議等を実施し、研究を進める。 研究計画に大きな変更は無い。病院機能評価の次期評価体系の方向性と課題の整理、病院全体および緩和ケア等の診療領域を対象とする質評価手法の立案、および病院を対象とした品質マネジメントシステム(ISO 9001)の審査の要点の整理などに重点をおき、継続的な質改善活動を促すために有効な仕組みのあり方についての検討成果をとりまとめる予定である。
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