研究概要 |
本研究では、非侵襲型検査である呼気分析について、その科学的な観点からの有用性と、経済学的な視点からの有用性の検討を行うことを目的としている。これまでに、呼気中のアセトンをはじめとする揮発性有機化合物を高効率に濃縮するための針型抽出デバイスを開発した。そして、糖尿病患者および健常者の呼気中アセトン濃度の測定を行い、血液検査との相関について検討を行った。次いで、健常人を対象とした支払意思法によるアンケート調査により、本検査法の経済的価値評価を行った。また、経済的価値判断の結果をもとに診断テスト分析を行った。糖尿病患者から得られた血液HbA1c濃度と呼気中アセトン濃度との間には強い相関があり、本検査法に対する支払意思額の中央値は1,000円、再検査に対するカットオフ値の最適値は20%と推定された。以上の結果から、呼気分析の糖尿病検査に対する使用可能性が示された。
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