• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

白血病治療薬三酸化ヒ素の有害反応軽減法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22590504
研究機関自治医科大学

研究代表者

藤村 昭夫  自治医科大学, 医学部, 教授 (90156901)

キーワード有害反応 / 薬理学 / QT延長 / 白血病
研究概要

急性前骨髄性白血病の標準的治療薬である亜ヒ酸は、QT延長をきたすことが多く、しばしば使用が制限される。これまでに研究代表者らは、亜ヒ酸の正常細胞に対する毒性メカニズムとして酸化ストレスの関与を明らかにし、試験管内では抗酸化物質であるα-リポ酸がその毒性を軽減することを見出した。そこで本研究は、動物を用いて、α-リポ酸やその他の抗酸化物質が亜ヒ酸によるQT延長および致死性不整脈を予防できるか否かを明らかにすることを目的とした。
平成22年度は、Wistarラットを用い、亜ヒ酸は、単回投与により一過性の心電図変化(ST-T変化)を来たし、反復投与により突然死を惹起すること、さらに、α-リポ酸の併用によりこれらの心電図変化や突然死が完全に抑制されることを見出し、報告した。
平成23年度は、Hartleyモルモットを用い、亜ヒ酸の単回投与によりQT延長が惹起されること、α-リポ酸の投与はこの亜ヒ酸によるQT延長を予防(前投与時)あるいは軽減(治療投与時)することを見出した。現在、モルモットの心筋細胞を用いたパッチクランプ法などにより、亜ヒ酸のQT延長機序およびα-リポ酸のQT延長抑制機序について検討中である。また、今後は、QT延長が臨床で問題となっている亜ヒ酸以外の薬物に対するα-リポ酸の効果についても検討を行う予定である。
α-リポ酸は健康食品(サプリメント)としても広く使用されている薬物であることから、本研究の成果は直ちにQT延長薬の克服法の臨床開発につなげることが可能であり、薬物療法の安全性向上に大きく寄与することが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

α-リポ酸のQT延長抑制機序が当初の推察とは異なることが示唆されたことから、他の抗酸化物質についての検討は実施しなかったが、α-リポ酸のQT延長抑制を明らかにし、さらにその機序の解明にも迫っており、研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

パッチクランプ法などにより、亜ヒ酸のQT延長機序およびα-リポ酸のQT延長抑制機序について明らかにし、QT延長が臨床で問題となっている亜ヒ酸以外の薬物に対するα-リポ酸の効果についても検討を行う。

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi