研究課題/領域番号 |
22590509
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
内田 友二 崇城大学, 薬学部, 准教授 (70433026)
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研究分担者 |
木村 円 国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナルメディカルセンター・臨床研究支援部・早期・探索的臨床試験室, 室長 (60433025)
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キーワード | 筋ジストロフィー |
研究概要 |
今年度は、ヒストン脱アセチル化酵素薬として、前年度の結果により筋芽細胞に対する効果が大きかったトリコスタチンA(以下TSA)を用いて研究を進めた。TSAの厳密な溶解度の違いや手技による誤差を最小化するために固体のTSAを溶解するにではなく、TSAの5mMジメチルスルホキシド(以下DMSO)溶液を以下の実験に用いた。溶媒であるDMSOのみを細胞に添加する予備実験により、DMSO自体による細胞生存率や分化に関する細胞への影響が認められたため、細胞培地に対するDMSOの割合(量)を1/1000以下とした。 細胞はマウスの筋芽細胞のcell lineであるC2C12細胞を用いた。TSAについて5x10(-3)M~10(-6)Mのstock溶液を調製した。培地のグルコース濃度は4.5g/lと1g/lの2種類のDMEM培地を用いた。TSAを加える時点の細胞密度を1.(20~30%)、2.(50~70%)、3.(ほぼ100% confluent)の3種類、TSAに暴露する時間を24、48、72時間の3種類、薬物への暴露を終了してから評価までの時間を72時間、96時間、120時間の3種類それぞれについて検討した。また、TSAを添加するタイミングを、分化誘導をかける前後(growth mediumに加えるか、differenciation mediumに加えるか)に分けて検討した。その結果は上記いずれの条件においても、筋管細胞を形成した割合(面積)と筋管細胞の長さに有意差は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トリコスタチンAなどの各種薬物において、これまでに種々の論文で報告されているような筋分化活性が認められないため。
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今後の研究の推進方策 |
上記今年度の結果は昨年度の結果と矛盾することとなり、その原因について検討したが現在までのところその原因を確定できていない。今年度は、この原因解明を目指すとともに、トリコシタチンA以外の骨格筋分化誘導能を有する他の薬物の本研究課題への適用可能性についても評価する予定である。
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