研究課題/領域番号 |
22590528
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石田 万里 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 講師 (30359898)
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研究分担者 |
石田 隆史 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 講師 (40346482)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | DNA損傷 / DNA修復 / DNA損傷応答 / 動脈硬化 / DNA二本鎖切断 / リスクファクター |
研究概要 |
動脈硬化の成因にゲノム損傷・修復異常の関与があるとの仮説のもと、それを証明し、そこから得られた結果を応用して動脈硬化の新規診断法を開発することが本研究の目的である。研究期間に、ヒト動脈硬化巣にDNA二重鎖切断とゲノム損傷修復酵素の発現増加を証明した。細胞実験より、修復因子の機能不全が存在するとDNA損傷が蓄積し、細胞が老化すると同時に、アポトーシスの減少により損傷されたゲノムを持つ細胞の排除が阻害され、genomic instability の高い細胞が増加すること、さらに、動物実験から、動脈硬化マウスのゲノム修復機構の阻害により動脈硬化が増悪することを証明した。以上より、動脈硬化の発症メカニズムとしてゲノム損傷の蓄積という点に着目し、動脈硬化の新規診断法として、体細胞に蓄積しているゲノム損傷の定量化を行う方法を確立し、有用性を検討した。検査法は被験者の採血検体から得たリンパ球を用い、γH2AX抗体(DNA二本鎖切断を示す)による免疫染色を行い、蛍光顕微鏡を用いてγH2AX foci数をカウントする。動脈硬化のリスクファクターの有無との関連を検討したところ、本方法が喫煙のリスクを検出できることが示された(細胞あたりのfociの数は非喫煙者0.5 ± 0.1/cell、喫煙者6.5 ± 2.4/cell(p<0.0001)。喫煙者が禁煙をした場合、4.8 ± 0.8/cell から0.6 ± 0.3/cell (p<0.0277)に減少)。現在、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、性差(男性)、加齢との関連を探るべく症例を蓄積している。本検査法が総合的なリスク評価において有用かどうかをさらに検討していきたい。現在の動脈硬化の有無だけでなく、総合的なリスク評価として用いることができれば、予防医学上、非常に有用である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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