研究課題
本年度は、Qprobeを用いた融解温度解析によるSNPタイピング法の開発を目的に基礎検討を行った。移植後ヘルペスウイルス感染症に対する抗ウイルス薬として用いられるガンシクロビル(GCV)は、HHV-6 U69遺伝子の一塩基置換により耐性をを示すことが実験的に証明されている。U69に存在するGCV耐性に関連するSNPsに対するQprobeを作成し臨床分離株を用いて検討した。【方法】Isegawaらにより供与されたGCV耐性HHV-6B、U69変異遺伝子(M318V、A447D、C448G、L450S、A462D、C463Y)DNAをサブクローニングし、各遺伝子変異を持つプラスミドを作製した。変異領域を3組のprimerで増幅し(region 1-3)、変異位置にQプローブを設定した(3種類)。臨床株は、造血幹細胞移植後に同一患者から反復して分離されたHHV-6B 25株(8名)である。【結果】Region 1での融解温度(Tm)は、HHV-6B標準株 Z29で 42.9℃、M318Vは49.1℃であった。すべての臨床株のTm値はZ29と同じであった。Region 2ではZ29 59.4℃、A447D 56.5℃、 C448G 56.0℃、L450S 53.4℃であった。臨床株のTm値はZ29と一致した。region 3では、Z29の53.5℃、 A462D 53.2℃、 C463Y 48.6℃、A462Dと野生株との判別は困難であった。臨床株のTm値は54.9℃とZ29異なっていたが、HHV-6B標準株HSTとは一致した。ダイレクトシーケンスによってregion 1-3の塩基配列を確認したところ今回スクリーニングした株においてU69耐性遺伝子変異は確認されずQプローブの結果と一致した。【考察】Qプローブ法によるU69変異遺伝子スクリーニング法は臨床分離株の解析に有用であった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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