研究課題/領域番号 |
22590540
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
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研究分担者 |
田窪 孝行 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60163359)
辻 求 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60144466)
山本 大助 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (50240106)
内藤 康秀 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 准教授 (40237186)
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キーワード | アミロイド / ラジカル反応 / 質量イメージング / アミロイド原性獲得 |
研究概要 |
トランスサイレチン(TTR)のアミロイド原性獲得機序として、システイン(Cys)遊離SH残基のS-亜硫酸化に着目し、Cys-S-スルホン酸にてin vitroアミロイド誘導化(37□、1週間、弱アルカリあるいは弱酸性条件下)させた溶液を超高精度LC-MS (maXis : Bruker Daltonics)にてTTR同族体の一斉分析を実施した結果、In vivoにて検出・同定した8種類の異常修飾TTRを見出した。 1) 遊離SH基にシステイン、システイニルグリシン、グルタチオンが付加しジスルフィド結合したTTR同族体分子。 2) 酸化され更にβ脱離にて生じたS-亜硫酸化(S-SO3)、S-スルフォン(S-SO2)、S-スルフィン化(S-SO)TTR同族体分子が高精度(数ppmの誤差)にて、その分子量が検出された。 3) 更に、不可逆的反応(ラジカル反応)にて、Cysがデヒドロアラニンおよびグリシン変化した異常TTR体が検出された。これら異常TTR同族体はコンゴレッド染色にて陽性に染まった。 4) 本反応の本質であるラジカル反応を電子スピン共鳴スペクトル(ESR)にて検出する目的に基礎的検討を実施した。使用機器は日本電子社製ESR FA200を用い、ラジカルトラップ剤には、DMPO(ラボテック社製)を用い、標品のESRスペクトルを観察した。 5) ヒドロキシルラジカルが明瞭に観察され、更にはプロトンラジカルも共雑物(?)として検出された 6) 本反応は、DMSO添加により変化し、メチルラジカルを検出した。 今後は、TTR由来オクタペプチドとTTR標品を用いて、アミロイド原性獲得反応中に発生する「ラジカル」を捉え、本反応を証明する予定である。
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