研究課題/領域番号 |
22590540
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
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研究分担者 |
田窪 孝行 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60163359)
辻 求 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60144466)
山本 大助 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (50240106)
内藤 康秀 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科 光医療・健康分野, 准教授 (40237186)
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キーワード | アミロイド / ラジカル反応 / 質量イメージング / 凝集体形成 |
研究概要 |
TTR標品と自家合成したシステイン-S-スルホン酸を弱アルカリ性下にて共存させ凝集体誘導化反応を惹起させ、in vitro異常修飾TTR分子をSDS-PAGEにて分離/PVDF膜転写/抗TTR抗体(4種類: FL-147; C-20; N-19; C-15)/ECL検出し、単量体および2~4量体の分子量に相当するTTRバンドと、それ以外に複数の抗TTR抗体と反応する陽性バンドを見出した。この事実は、DTT存在下においてもTTR多量体などが存在し、更にそれら分子は、抗TTR抗体が認識する構造を有する事を示唆する。この事は、本異常修飾TTR分子が還元剤抵抗性を有し、かつTTR類似構造を持つ事を意味する。 FAP/SSA患者血清解析およびTTR標品を用いた予備実験を踏まえ、我々がin vitro実験で得られたアミロイド原性を有する種々の翻訳後修飾TTRなどの分子プロフィルを明らかにし、アミロイド原性獲得やその生成/阻止機序など我々の仮説を分子レベルで立証した。更に、上記TTRプロフィルをFTMSにて詳細に明らかにし、アミロイド線維化の重要な第一反応が「S-sulfonation化」であり、その反応によって誘導されたデヒドロアミノ酸(α-acryl amino acid)がランダムポリマー形成→アミロイド線維化に重要な役割を果たしていることを明らかにし、結果を公表した(Amyloids: Composition, Functions and Pathology. NOVA Publisher2012)。 このアミロイド線維化形成に重要な第一反応であるラジカル生成反応を追跡するため、ESR(JEOL社製)による活性酸素種の解析を試みた。標品による活性酸素種の時間毎の追跡は可能である事が判ったが、本反応は非常に短時間に進行する反応であり、実際の試料を用いた解析には高感度の工夫が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
In vitroでの凝集体形成能、アミロイド原性獲得に関する知見は十分に証明出来た。現在、リアルタイムにその現象を捉える方法を検索中であり、新たに研究施設に共同研究を申し入れスタートした段階である。
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今後の研究の推進方策 |
上記、In vitroでの凝集体形成能、アミロイド原性獲得能を直接観察しようと試みているが、ラジカル反応は非常に短時間で終了する為、原子間力顕微鏡にて、その現象を観察する。
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