研究課題
基盤研究(C)
大腸癌バイオマーカータンパク質の同定を目的として、大腸癌患者組織から調製した膜画分の大規模な網羅的定量解析とその検証をおこなった。同定された5566種類のタンパク質の中で、5287個が遺伝子オントロジー解析により注釈付けされ、3087個は膜に局在することが推定された。また、TMHMM解析により、1567個のタンパク質は膜貫通ドメインを有する膜タンパク質であることが推定された。同定タンパク質には、ポリープと癌組織、または転移のない癌組織と転移のある癌組織間で発現量に有意な差のあるタンパク質が、100種類以上含まれていた。そうしたバイオマーカー候補タンパク質の中の105個について、SRM法を用いて検証した結果、78個は、SRM法でも癌の悪性化に伴う有意な発現変化が確認された。2つの候補タンパク質protein-Xと-Yについては、ウェスタンブロット法や免疫組織染色法を用いた検証もおこなった。さらに14種類の癌組織を含む組織アレイ解析により、protein-Xと-Yは、大腸癌だけでなく、胃癌や乳癌、前立腺癌でも高発現していることが示されたことから、大腸癌だけでなく、他の癌においても有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。
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J Proteome Res
巻: 12(1) ページ: 208-13
DOI:10.1021/pr300824m
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