研究課題/領域番号 |
22590552
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研究機関 | 千葉科学大学 |
研究代表者 |
藤谷 登 千葉科学大学, 危機管理学部, 教授 (30128673)
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研究分担者 |
畑 明寿 千葉科学大学, 危機管理学部, 助教 (10433690)
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キーワード | 災害 / 感染症 / 河川 / 薬剤耐性菌 / 腸内細菌 / 危機管理 / 臨床検査 / バイオセーフティー |
研究概要 |
近年、河川の氾濫などの災害が増加傾向にある。災害後は環境中に存在する薬剤耐性グラム陰性桿菌に感染するリスクが高いことが知られている。利根川が氾濫した場合、広範囲にわたる浸水被害が想定されており、我々は水害時の感染症危機管理という観点から、利根川水中の薬剤耐性菌の研究を行っている。前年度に利根川中腸内細菌科の薬剤耐性菌の調査を行った結果、第3世代セフェムやカルバペネム系抗菌剤に耐性を示す、多剤耐性株の存在が確認された。今年度も昨年に引き続き耐性菌の調査を行うとともに、河川中の細菌数の変動に影響する環境因子の調査を行った。 (1)利根川水中の薬剤耐性菌について 利根川の源流付近から河口までの5地点において2011年5~8月に採取した腸内細菌科株を対象に、各系統に代表的な抗菌薬を用い薬剤感受性試験を実施した。昨年と同様βラクタム系抗菌薬への耐性率は他の系統に比べ高い値であったが、第3世代セフェム系、カルバペネム系に対する耐性率は低下していた。また昨年みられなかったアミノグリコシド系のアミカシンに耐性を示す株が一部の地点でみられた。テトラサイクリン系、クロラムフェニコール系、フルオロキノロン系耐性率は昨年とほぼ同等の値であった。 (2)細菌数の変動に影響する環境因子について 利根川河口付近にて、腸内細菌科細菌数の106回の定点観測を行い、細菌数の変動に影響する環境因子の調査を実施した。環境因子として気温、降水量、水温、河川水pH等を検討の対象とした。細菌数と各環境因子の相関係数を求めた結果、降水量との間に有意な正の相関がみられ、梅雨や台風等の大雨の後には細菌数が大幅に増加していた。また、降雨後には検出される腸内細菌科の属の種類が増加した。このことから、大雨による河川災害時には、細菌感染の危険性が高まる可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究が進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画から変更はない。
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