研究課題/領域番号 |
22590554
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
李 卿 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50250048)
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研究分担者 |
川田 智之 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00224791)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | Ziram / カーバメイト系農薬 / アポトーシス / NK細胞 / T細胞 / Caspase / Cytochrome-C / ミトコンドリア |
研究概要 |
【目的】我々は、平成22-23年度ではカーバメイト系農薬ジラムがPerforin/Granzyme/Granulysin 系への影響を介してNK、CTL及びLAK活性を抑制することを明らかにした。平成24年度では、カーバメイト系農薬によるNKとT細胞のアポトーシスという視点からカーバメイト系農薬によるNKとCTL活性抑制の機序を検討した。 【材料と方法】①免疫細胞:本研究ではNK細胞としてNK-92MI細胞株を、T細胞としてJurkat T細胞株と人末梢血CD3+T細胞を用いた。②細胞処理:Ziramを用いてin vitroで上述の細胞を処理した。③以下の方法で各細胞のアポトーシスとネクローシス及びその機序を検討した。a.膜の変化:FITC-Annexin V/PIを用いて早期アポトーシスとネクローシスを測定した。b.生化学的変化:FITC-caspase 3 active抗体及びCaspaTag Caspase In Situ Assay kitsを用いた。c.Ziramによるアポトーシスに対するCaspase阻害剤の予防効果:Caspase-3阻害剤Z-DEVD-FMKとgeneral caspase阻害剤Z-VAD-FMKを用いた。d.ミトコンドリア膜電位差への影響:MitoLight Apoptosis Detection Kitを用いた。e.ミトコンドリアからCytochrome-Cのリリース:FITC-cytochrome-C抗体を用いた。 【結果と考察】①Ziramは有意にNKとT細胞のアポトーシスを誘導することが明らかとなった。②このアポトーシスは細胞内のCaspase活性化を介して誘導することが判明した。③さらにこのアポトーシスは、mitochondria pathwayをも介して誘導することが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は計画通りに実施してきた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は他のカーバメイト系農薬(Thiram,Carbaryl)を用いてこれらの農薬によるNK細胞内のPerforin、Granzyme A、Granzyme B、Granzyme 3/K及びGranulysin発現レベルを検討し、カーバメイト系農薬による免疫毒性の機序をさらに探究する。
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