研究課題/領域番号 |
22590561
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
谷村 晋 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60325678)
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研究分担者 |
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
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キーワード | 環境疫学 / 地理情報システム / 空間補間法 / 大気汚染 / 暴露推計 |
研究概要 |
本研究は、大気汚染物質の長期的健康影響を疫学的により正しく評価するために、大気汚染物質への曝露量推定方法を開発することを目的としている。本年度は、主に、開発された曝露推計モデルの妥当性を検討するために行う実測調査の準備を行い、また、学童の呼吸器・アレルギー症状との関連を検討するために必要な新しい指標を開発した。 ・兵庫県東播磨地域(加古川市・播磨町)に居住する学童の呼吸器・アレルギー症状の地域集積性を調べるために、新しい統計量を開発した。地域集積性の検出に関するこれまでの統計的検定では、行政区域単位で集計した区域データを対象としており、本研究課題で扱う地点データは取り扱えない。また、地点データを行政区域単位に集計すると区域内の位置清報が失われてしまう。そこで、地点データを対象とした新しい手法を開発し、日本公衆衛生総会で報告した。 ・大気汚染物質の観測値は滑らかな分布に従っており、大気汚染物質の分布を説明する共変量は独立ではなく空間構造を持つ。この空間構造をモデル化して統計モデルに組み込む方法についてさまざまな検討がなされてきた。本研究では、クリギングの拡張モデルであるコクリギングに一般化線形モデルを組み入れることにより、クリギング法と土地利用回帰モデルの両方の利点を併せ持つ新しい空間回帰モデルをいくつか試作し、比較検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
小学生保護者世帯を対象とした調査の実施準備にあたり、関連機関への説明や協力要請を含む準備段階の交渉・再交渉、およびそれに伴う調査デザインの変更などに関わる遅滞があったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は夏冬2回の実測調査を実施する。協力関連機関との調整を行いながら、実行計画の確立のために最終的な精緻化を行う。調査実施計画にしたがって実測調査を実行し、その結果を用いて本研究で開発した個人曝露推計モデルの評価を行いたい。
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