研究課題/領域番号 |
22590569
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研究機関 | (財)ルイ・パストゥール医学研究センター |
研究代表者 |
宇野 賀津子 (財)ルイ・パストゥール医学研究センター, 基礎研究部, 室長 (50211082)
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研究分担者 |
武曾 恵理 (財)田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 研究主幹 (10190852)
福井 道明 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30247829)
八木 克巳 (財)ルイ・パストゥール医学研究センター, 基礎研究部, 主任研究員 (90029728)
室 繁郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (60344454)
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キーワード | 感染症 / 自然免疫 / インフルエンザウイルス / 歯周病 / 危機管理 / 公衆衛生 / インターフェロン |
研究概要 |
平成22年秋から24年冬に向けて糖尿病患者、MPO-ANCA腎炎患者および健常人を対象として、IFN-α産生能、サイトカイン産生能を測定した。これらの患者は予想通り、IFN-α産生能は健常人群に比較して、低値であった。22年秋から24年冬にかけて、関西地区では、新型を含めインフルエンザの大きな流行はなく、患者群・健常人群いずれにおいても、私たちの把握している範囲では罹患患者がいなかった。 23年度からは、方針を変えて他の感染症、特に歯周病とIFN産生能について検討した。 その結果IFN-α産生能低値傾向が、特に糖尿病および慢性閉塞性肺疾患患者の歯周病罹患群において認められた。更に、易感染性の疾患であるMPO-ANCA腎炎においては、IFN-α産生能の低下と、IFN-α産生細胞であるプラズマサイトイド数低下の結果が得られ、23年秋の国際学会で発表した。現在論文執筆中である。 本年度はさらに、歯周病とIFN-α産生能低下について、糖尿病患者を中心に症例を増やして、論文化の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症重症化ハイリスク群のインターフェロン・サイトカインシステムの検討という視点からの研究は、幅広い弛緩患者を対象として進んでいるが、最初に考えた新型インフルエンザとの関連性については、流行がなく、検証が不可能であるため、(3)とした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の新型インフルエンザ重症化ハイリスク群のインターフェロン・サイトカインシステムの検討という視点からの研究は、新型インフルエンザの流行がなく、検証が難しい。しかしながら、他の感染症についても検証した結果、特に歯周病罹患群で、IFN-α産生能の低下傾向が明らかになった。今年度は、この結果を追認するために症例を増やして検討中である。これらの結果は主治医(福井、室、武曾)を通じて患者の健康管理に反映される。また、健1常人や各種疾患患者の血中サイトカイン・ケモカインレベルについて検討を進めており、本年秋の国際学会で発表予定である。
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