研究課題/領域番号 |
22590577
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
本橋 豊 秋田大学, 学内共同利用施設等, その他 (10174351)
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研究分担者 |
佐々木 久長 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70205855)
金子 善博 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70344752)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 自殺 / 社会格差 / ソーシャル・キャピタル / ゲートキーパー / 心の健康づくり |
研究概要 |
地域自殺対策緊急強化基金の投入前後の都道府県別の自殺率の増減(平成21~23年)と基金事業に関する指標及び社会経済的要因との関連性を重回帰分析の手法を用いて解析した。独立変数として、高齢化率、完全失業率、進学率(大学・短大等への進学率)、平均余命、地域自殺対策緊急強化基金の強化モデル事業執行額、強化モデル事業の市町村実施割合、電話相談執行額、普及啓発事業執行額、刑法犯検挙率、生活保護被保護実人員を用いた。男性では、強化モデル事業執行額および平均余命が自殺率増減と統計学的に有意な関連性を有していた。女性では、進学率、強化モデル事業市町村別実施割合、電話相談執行額が自殺率増減と統計学的に有意な関連性を有していた。 東日本大震災被災地における地域のつながりの強化に関する研究については、岩手県釜石市の地域住民を対象として地域の絆と心の健康づくりに関する介入を行った。地域における心の健康づくりを推進するために、自殺対策にて有用性が確認されているゲートキーパー養成講座を、秋田大学と釜石市が協力して開催した。講座の内容は、身近な人を支えるということ、お互いに支え合う地域づくりをめざして等であった。介入の効果を参加者のグループワークの報告から質的評価を行った。その結果、ゲートーパーが効果的に活動するためには、住民が集まる場の設定と仲間作り・絆づくりを強化していくことの重要性が抽出された。被災者の地域のつながりが避難所の共同生活に反映されていること、仮説住宅利用者と自宅生活者の間には心理的障壁があり地域の絆づくりに影響しておる可能性も示唆された。 以上より、自殺対策事業の効果的推進にあたっては、進学率や平均余命などの社会格差要因を考慮に入れる必要があること、東日本大震災被災地の心の健康増進のためには被災者の生活格差を念頭に入れた地域の絆づくりが重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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