本研究では、我が国が出生コホートを対象とした7価肺炎球菌ワクチンの定期接種の導入した場合、その公衆衛生プログラムの費用対効果を検討した。その結果、定期予防接種の実施による延命効果が示唆されたが、支払者の立場(接種費用および肺炎球菌関連疾患の医療費のみを考慮)からの分析結果では、1QALY(質を調整した生存年)獲得あたりの費用は約700万円であった。この値は、WHOが推奨しているcost-effectiveの基準(国民1人あたりのGDPの3倍以下)を下回ったものの、「極めて費用対効果に優れる」とは言い難かった。研究成果は学術誌Vaccineに既に掲載された。
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