研究課題/領域番号 |
22590580
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
長尾 啓一 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 教授 (00111427)
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キーワード | 外国人留学生 / ウィルス抗体価 / ワクチン行政 / 結核発病 / 潜在性結核感染症 / クォンティフェロンTB |
研究概要 |
平成23年度の留学生特別健康診断、特殊健康診断にて、本学留学生に対し、平成22年度に作成した本研究の目的と検査概要を記載した説明書(日本語、英語、中国語、韓国語)により検査協力を依頼した結果、研究参加同意が得られた入数は84名(男性46名、女性38名)であった。国別では、中国42名、インドネシア9名、韓国8名、タイ3名、シンガポール2名、内モンゴル2名、ナイジェリア2名、フィンランド2名、その他14の国が各1名であった。麻疹、風疹、水痘、ムンプスの各ウィルス抗体価検査は全員に実施され、クォンティフェロンTBは73名に対して実施された。 その結果、麻疹抗体価については、陽性者79名(陽性率94%)、疑陽性者4名、陰性者1名、風疹については、陽性者77名(陽性率92%)、陰性者7名、水痘については陽性者67名(陽性率80%)、疑陽性者4名、陰性者13名、ムンプスについては陽性者47名(56%)、疑陽性者4名、陰性者B名であった。クォンティフェロンTB検査については、実施した73名中、陽性者17名(陽性率25%)、判定保留者6・名、陰性50名であった。 ウィルス抗体価の結果を見ると、麻疹、風疹については抗体保有率が日本の大学生同様と高かったが、水痘はやや低く、ムンプスについては低い傾向にあった。 これらの結果については研究参加者各人に親展の封書で伝えた。ウィルス抗体が陰性である者に対してはワクチン接種を勧奨し、必要に応じて接種医療機関を紹介した。クォンティフェロンTBが陽性である者は潜在性結核感染症という診断になり、全員と面接をして結核治療を勧めることにした。陽性者17名のうち10名がヒドラジドによる結核治療を了解したので医療機関への紹介状を作成して治療につなげ、他の6入は厳重経過観察とし、1名は海外出張中であり面接できていない。 次年度にはさらに解析し、学会発表、論文作成を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究参加留学生は予定通り確保でき、全てに血液検査が実施された。外注にて検査した結果の精度も安定しており、概略の結果も把握できている。さらに詳細な検討が残されているが、平成24年度前半で解析が終了し、後期には公表できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
詳細検討については、国別・性別検討、ワクチン接種歴と抗体価の関係等であるが、計画に変更はない。
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