研究概要 |
外国人留学生のウィルス感染に対する防御能と結核の発病リスクを知ることを目的としてこの研究を行った。研究計画は、予め千葉大学の研究倫理審査委員会の審査を受け、承認された。協力の承諾が得られた留学生からは書面でのインフォームドコンセントを得た。研究対象者は留学生84名(男/女:42/42、平均年齢26.5歳)であり、その全員がウィルス抗体価検査を、73名が潜在性結核の検査(クォンティフェロンTB:以下QFTB検査)を受けた。留学生の国籍は、中国が最多で半数を占め、次いでインドネシア、韓国であった。対象84名のウィルス抗体価陽性率は、麻疹65,5%、風疹91.7%、水痘78.6%、ムンプス56.0%であった。QFTB検査は、73名に行われ、陽性17名、判定保留6名、陰性50名であった。以上の結果から、外国人留学生は、日本人学生に比し抗体陽性率がやや低くウィルス感染への感受性者が多いこと、そして、潜在性結核患者が多く結核発病リスクが高いことが明らかになった。この成績は第50回全国大学保健管理研究集会(神戸)にて発表した。
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